令和元年(2019 年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのは どれか。
公式正答:4
解説
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいものを問う。65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である、である。
この問題で問われていること
統計の順位と水準を、年齢層ごとに区別できるか。
しくみから理解する
国民生活基礎調査では、有訴者の自覚症状が年齢階級別に集計される。全年齢では、男性の1位が腰痛、女性の1位が肩こりになるが、65歳以上に限ると、男女とも腰痛が最も多くなる。加齢に伴い、脊椎の変性(椎間板の変性、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症)、骨粗鬆症による椎体骨折、そして筋力の低下が重なるため、腰痛の頻度が高まる。2位以下は男女で異なり、調査も男女別に公表している。男女共通の一続きの順位にはならないため、2位以下を並べて覚えるのではなく、1位が男女とも腰痛であることを押さえる。
選択肢ごとの確認
75歳以上の通院率は約9割ではない。国民生活基礎調査による通院者率は、75歳以上でおよそ730〜740(人口千対)程度で、7割強になる。9割は過大な値になる。
65歳以上の半数以上が有訴者であるとはいえない。65歳以上の有訴者率はおよそ430〜440(人口千対)程度で、4割強になる。半数には達しない。ただし、年齢が上がるほど上昇し、80歳以上では5割を超える。
65歳以上の外来受療率は、年齢が上がるほど高くなるとはいえない。なお受療率は患者調査による指標で、設問文が挙げる国民生活基礎調査とは別の調査になる。令和2年患者調査では、外来受療率は80歳前後をピークとして、それ以降は低下する。これは観察された事実であり、その理由をこの調査から一つに定めることはできない。一方、入院受療率は年齢が上がるほど上昇し続ける。
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混同しやすいポイント
誤肢は、数値の過大(通院率9割、有訴者率半数以上)、そして傾向の誤り(外来受療率が上がり続ける)になる。統計の設問では、「大まかな水準」と「傾向の向き」を押さえておけば、多くを判断できる。とくに、外来受療率が高齢の後期で下がるという点は、入院受療率との対比で覚えると理解しやすい。
理解を深める
高齢者の健康と受療の状況を整理する。有訴者率=65歳以上でおよそ4割強、年齢とともに上昇する。症状は、男女とも腰痛が最多。2位以下は男女別に公表されており、男女共通の一続きの順位にはならない。通院者率=65歳以上でおよそ7割前後。傷病では、高血圧症が最も多く、次いで眼の病気、脂質異常症、糖尿病、そして腰痛症などが続く。受療率=入院は年齢とともに上昇し続ける。外来は80歳前後をピークに低下する。介護=要介護(要支援)認定を受けている人は、65歳以上でおよそ2割弱だが、年齢とともに急増し、85歳以上ではおよそ6割に達する。介護が必要となった主な原因は、認知症、脳血管疾患、骨折・転倒、高齢による衰弱、関節疾患などが上位を占める。同居の主な介護者では、6割以上が60歳以上(老老介護)になる。これらの統計は、高齢者の看護と地域の支援を考える土台になる。数値そのものより、「運動器の症状が最も多い」「入院は増え続けるが外来は途中から減る」「老老介護が多数を占める」といった構造を理解することが、実務での判断につながる。
間違えやすい考え方
統計を問う型で、誤肢が数値の過大と傾向の誤りである。大まかな水準と傾向の向きで切る。
5分で振り返る
①65歳以上では、有訴者の自覚症状は男女とも腰痛が最多。2位以下は男女別に公表されるため、一続きの順位としては覚えない。②全年齢では男性1位が腰痛、女性1位が肩こりで、高齢では男女とも腰痛になる。③65歳以上の有訴者率はおよそ4割強で、半数には達しない(80歳以上では5割超)。④75歳以上の通院者率はおよそ7割強で、9割ではない。⑤外来受療率は80歳前後をピークに低下する。入院受療率は年齢とともに上昇し続ける。⑥通院の傷病は高血圧症が最多。⑦要介護認定は65歳以上でおよそ2割弱だが、85歳以上ではおよそ6割に達する。
1分チェック
- 65歳以上の自覚症状で最も多いのは。→ 男女とも腰痛。
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