尋常性乾癬〈psoriasis vulgaris〉の患者への説明で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
尋常性乾癬の患者への説明で正しいものを問う。機械的刺激が加わらないよう患部を覆うことである。
この問題で問われていること
ケブネル現象という特徴から、生活上の注意を導けるか。
しくみから理解する
尋常性乾癬では、健常な皮膚に外的な刺激(掻破、摩擦、圧迫、外傷、日焼け)が加わると、その部位に新たな皮疹が生じることがある。これをケブネル現象(同形反応)という。したがって、患部をこすらない、掻かない、締めつける衣類を避ける、といった配慮が必要になり、患部を覆って刺激から守ることが有効な対応になる。衣類は柔らかく、摩擦の少ない素材を選び、入浴時はこすらずに泡で洗う。
選択肢ごとの確認
日光を当てないという説明は誤りである。乾癬では、紫外線が治療として用いられる(光線療法)。適度な日光浴も症状を改善しうる。ただし日焼けするほどの曝露はケブネル現象を招くため、過度にならないようにする。この「適度に当てる」という点が要点になる。
温めることは掻痒を強める。皮膚温が上がると掻痒の閾値が下がり、痒みが増して掻破につながる。掻破はケブネル現象を招くため悪循環になる。掻痒があるときは、冷やす、保湿する、爪を短く切る、綿の手袋を使うといった対応をとる。
落屑が多いときこそ蛋白質を十分に摂る。落屑は角層の細胞が大量に剥がれ落ちるもので、それに伴って蛋白質が失われる。制限するのではなく、補う必要がある。乾癬は皮膚の表皮細胞の増殖が異常に速まる(正常の10倍程度)病態であり、代謝の需要も高い。
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混同しやすいポイント
誤肢3つが、いずれも「良かれと思って」しがちな対応の逆を示している。日光を避ける(実は治療に使う)、温める(実は痒みが増す)、蛋白質を減らす(実は補う)。乾癬という疾患の特徴(紫外線が効く、掻痒がある、落屑で蛋白が失われる、ケブネル現象がある)を知っていれば、いずれも判断できる。
理解を深める
尋常性乾癬は、境界の明瞭な紅斑の上に、銀白色の厚い鱗屑が付着することを特徴とする慢性の炎症性皮膚疾患である。頭部、肘、膝、腰部、臀部といった刺激を受けやすい部位に好発する。鱗屑を剥がすと点状の出血がみられる(アウスピッツ現象)。原因は完全には解明されていないが、免疫の異常(T細胞と炎症性サイトカイン)と遺伝的な素因、そして誘因(感染、ストレス、外傷、薬剤、肥満、喫煙、飲酒)が関わる。治療は、外用薬(ステロイド、活性型ビタミンD3)、光線療法、内服薬、そして重症例には生物学的製剤が用いられる。関節症性乾癬では関節の腫脹と疼痛、変形を伴う。感染しない疾患であるが、外見の変化から誤解や偏見を受けやすく、就労、対人関係、入浴施設の利用といった場面で困難を経験することがある。心理社会的な支援と、正しい情報の提供が看護の重要な部分になる。
間違えやすい考え方
『正しい説明』を問う型で、誤肢がいずれも良かれと思ってしがちな逆の対応である。疾患の特徴から導く。
5分で振り返る
①ケブネル現象=刺激が加わった部位に新たな皮疹が生じる。掻破・摩擦・圧迫・外傷を避ける。②紫外線は治療に用いる(光線療法)。日光を避けるのではなく過度にならないようにする。③温めると掻痒が増すため冷やす・保湿する。④落屑で蛋白質が失われるので制限せず補う。⑤銀白色の厚い鱗屑、アウスピッツ現象。⑥誘因は感染・ストレス・外傷・薬剤・肥満・喫煙・飲酒。⑦感染しないが偏見を受けやすく心理社会的支援が要る。
1分チェック
- 尋常性乾癬で避けることは。→ 機械的刺激(ケブネル現象で新たな皮疹が生じる)。
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