午前 問1段階1 暗記
令和元年(2019 年)の国民生活基礎調査における平均世帯人数はどれか。
解説
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における平均世帯人数を問う。2.39人である。
この問題で問われていること
統計の水準を、社会の変化と結びつけて把握しているか。
しくみから理解する
平均世帯人数は、長期にわたり減少を続けている。かつては3人を超えていたが、核家族化、単独世帯の増加、高齢者のみの世帯の増加により、近年は2.4人前後で推移し、その後も緩やかに下がっている。背景には、未婚率の上昇、晩婚化、少子化、高齢者の独居の増加がある。世帯人数の減少は、介護や育児を家庭内で担う力が弱まることを意味し、社会保障のあり方に直結する。
選択肢ごとの確認
選択肢 11.39人は低すぎる。単独世帯は世帯員が1人であるから、その平均世帯人数は定義上1.00人になる。1.39人は、どの世帯類型の平均にも対応しない値になる。
選択肢 33.39人は、かつての水準(昭和50年代頃)にあたる。現在よりはるかに高い。
選択肢 44.39人はさらに古い時代の水準で、戦後まもない頃に近い。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
統計の数値そのものより、変化の方向と背景を押さえるほうが実用的になる。平均世帯人数は減り続けている、世帯数は増え続けている(一世帯あたりが小さくなるため)、単独世帯と夫婦のみの世帯が増えている、高齢者のいる世帯では単独と夫婦のみで過半数を占める、という流れである。数値は調査年により動くため、順位と方向で覚える。
理解を深める
国民生活基礎調査は、厚生労働省が世帯の状況、所得、健康、介護の実態を把握するために毎年行う調査で、3年ごとに大規模調査を実施する。ここから、世帯構造、有訴者率、通院者率、介護が必要となった主な原因、介護者の状況、所得の分布といった、看護に関わる多くの指標が得られる。介護が必要となった主な原因の上位は、認知症、脳血管疾患、骨折・転倒、高齢による衰弱で、順位は調査年により入れ替わる。介護者については、同居の家族が主な担い手で、老老介護(65歳以上の者が65歳以上の者を介護する)の割合が高まっている。世帯構造の変化は、退院支援の場面で直接影響する。同居家族がいない、いても高齢である、日中は独居になる、といった条件が、療養の場の選択と必要なサービスを決める。統計を知ることは、目の前の患者の背景を理解する枠組みになる。
間違えやすい考え方
統計の数値を問う型で、誤肢が異なる年代の水準である。変化の方向と現在の水準で切る。
5分で振り返る
①平均世帯人数は減少を続け、近年は2.4人前後。②背景は核家族化、単独世帯の増加、未婚化、少子化、高齢者の独居。③世帯数は増えている(一世帯が小さくなるため)。④国民生活基礎調査は毎年実施、3年ごとに大規模調査。⑤介護が必要となった原因の上位は認知症・脳血管疾患・骨折転倒・高齢による衰弱。⑥老老介護の割合が高まっている。
1分チェック
- 令和元年の平均世帯人数は。→ 2.39人(減少を続けている)。
この問題だけを開く午前 問2段階1 暗記
令和3年(2021 年)の人口動態統計における死亡場所で最も多いのはどれか。
解説
令和3年(2021年)の人口動態統計における死亡場所で最も多いものを問う。病院である。
この問題で問われていること
死亡場所の構成と、その推移を把握しているか。
しくみから理解する
日本では、死亡場所の約7割前後を病院が占める。戦後まもない頃は自宅での死亡が8割を超えていたが、医療機関の整備と医療の高度化に伴って病院での死亡が増え、1970年代半ばに自宅を上回った。近年は、在宅医療の推進と本人の希望を反映して、自宅と老人ホーム、介護医療院・介護老人保健施設での死亡が緩やかに増えており、病院の割合はわずかに低下している。それでも最も多いのは依然として病院である。
選択肢ごとの確認
選択肢 1自宅での死亡は、かつては最多だったが、現在は1割台にとどまる。ただし近年は増加傾向にあり、在宅看取りを支える体制の整備が進められている。
選択肢 3老人ホームでの死亡は、高齢化と施設の増加に伴って年々増えているが、病院には及ばない。
選択肢 4介護医療院・介護老人保健施設での死亡も増加しているが、割合としては小さい。
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混同しやすいポイント
『最も多いのは病院』という現在の事実と、『自宅が増えている』という変化の方向を、両方持つことが要点になる。国の政策は在宅での看取りを増やす方向にあり、地域包括ケアシステムの構築もその一環である。一方で、実際に自宅で最期を迎えられるかは、介護力、医療の体制、本人と家族の意向、急変時の対応によって左右される。希望と現実の差が、この分野の課題になっている。
理解を深める
終末期の療養場所の希望に関する調査では、自宅で過ごしたいと考える人が多い一方、最期まで自宅でと考える人はそれより少なく、家族の負担や急変時の不安が理由に挙げられる。実際に在宅での看取りを可能にする要素は、24時間対応の訪問診療と訪問看護、介護サービス、家族の介護力、疼痛と症状の緩和、そして「何が起こるか」を事前に共有しておくことである。看護師の役割としては、本人と家族の希望を確認し、実現できる条件を一緒に検討し、必要な資源をつなぎ、変化する意向に応じて計画を見直すことがある。病院で亡くなる場合も、その人らしい最期になるよう、面会、環境、家族との時間、苦痛の緩和に配慮する。死亡場所の統計は、単なる数字ではなく、その社会が最期をどう支えているかを示す指標として読める。
間違えやすい考え方
統計の順位を問う型で、誤肢がいずれも増加傾向にある場所である。現在の最多と変化の方向を分けて持つ。
5分で振り返る
①死亡場所の約7割は病院。②1970年代半ばに病院が自宅を上回った。③自宅は1割台だが増加傾向。④老人ホームと介護医療院・介護老人保健施設も増えている。⑤在宅看取りには24時間対応の医療・介護、家族の力、症状の緩和、事前の共有が要る。⑥希望と現実に差がある。
1分チェック
- 死亡場所で最も多いのは。→ 病院(約7割)。自宅と施設は増加傾向。
この問題だけを開く午前 問3段階1 暗記
食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒〈food poisoning〉の原因菌はどれか。
解説
食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌を問う。黄色ブドウ球菌である。
この問題で問われていること
原因菌を、汚染源と発症の機序で区別できるか。
しくみから理解する
黄色ブドウ球菌は、健康な人の皮膚、鼻腔、咽頭に常在し、とくに化膿した創には大量に存在する。手指に傷のある人が素手で食品に触れると菌が付着し、増殖する過程でエンテロトキシン(腸管毒)を産生する。この毒素は耐熱性が高く、100℃で30分加熱しても分解されない。したがって、加熱調理した食品でも発症しうる。毒素型の食中毒であるため潜伏期が短く、摂取後1〜6時間で激しい嘔吐と腹痛が現れ、発熱は軽度か認めない。多くは1〜2日で回復する。
選択肢ごとの確認
選択肢 1腸炎ビブリオは、海水中に生息し、生の魚介類が原因となる。好塩性で、真水と低温に弱い。潜伏期は10〜24時間程度で、激しい腹痛と下痢を起こす。汚染源が人の創ではない。
選択肢 2ボツリヌス菌は、土壌や海底の泥に芽胞として存在し、缶詰、瓶詰、真空パック、いずし(発酵させた魚)といった嫌気的な環境の食品で増殖して神経毒を産生する。眼症状(複視、眼瞼下垂)、嚥下障害、構音障害、四肢の麻痺、呼吸筋麻痺をきたし、致死率が高い。乳児では、はちみつに含まれる芽胞が腸管内で発芽して乳児ボツリヌス症を起こすため、1歳未満にはちみつを与えてはならない。
選択肢 4サルモネラ属菌は、鶏卵、食肉(とくに鶏肉)が原因となる感染型の食中毒である。潜伏期は6〜72時間で、発熱、腹痛、下痢をきたす。加熱により死滅するため、十分な加熱が予防になる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
食中毒は、原因微生物・感染型か毒素型か・芽胞の有無・毒素の性質を分けて覚える。耐熱性は一括できない。例えば黄色ブドウ球菌エンテロトキシンは耐熱性が高い一方、ボツリヌス毒素は十分な加熱で失活し得るが芽胞は耐熱性をもつ。予防は原因ごとの温度管理、加熱、二次汚染防止を確認する。
理解を深める
食中毒の予防三原則は、つけない(手洗い、器具の使い分け、生食と加熱食品の分離)、増やさない(低温保存、調理後は早く食べる)、やっつける(十分な加熱、中心温度75℃で1分以上、ノロウイルスは85〜90℃で90秒以上)である。黄色ブドウ球菌については、毒素が加熱で壊れないため、「つけない」と「増やさない」が決定的に重要になる。具体的には、手指に傷や化膿がある人は調理に従事しない(または使い捨て手袋を着用する)、調理前の手洗い、調理後は速やかに冷却して低温で保存する、といった指導になる。給食施設や病院の厨房では、従事者の健康チェック(下痢、発熱、手指の創傷)が日常的に行われる。看護師も、経管栄養の準備や食事の介助に関わる場面で、同じ原則が当てはまる。食中毒が発生した場合は、保健所へ届け出て、原因の究明と拡大の防止を図る。
間違えやすい考え方
原因菌を問う型で、誤肢がすべて別の汚染源をもつ食中毒菌である。汚染源と機序で切る。
5分で振り返る
①感染型・毒素型・生体内毒素産生型を区別する。②菌体、芽胞、産生済み毒素の耐熱性を混同しない。③黄色ブドウ球菌の産生済みエンテロトキシンは加熱だけに依存しない。④ボツリヌス毒素と芽胞は別に考える。⑤予防法は原因微生物ごとに確認する。
1分チェック
- 手指の化膿創が汚染源になる食中毒菌は。→ 黄色ブドウ球菌(毒素型、加熱しても毒素は残る)。
この問題だけを開く午前 問4段階1 暗記
介護保険法の地域支援事業で正しいのはどれか。
解説
介護保険法の地域支援事業で正しいものを問う。配食サービスは生活支援サービスの1つであることである。
この問題で問われていること
保険給付と地域支援事業の違いを、実施主体と内容で区別できるか。
しくみから理解する
地域支援事業は、市町村が実施する事業で、被保険者が要介護・要支援状態になることを予防し、あるいは要介護状態となっても地域で自立した生活を送れるよう支援するものである。介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)、包括的支援事業、任意事業から成る。総合事業の中の生活支援サービスには、配食、見守り、家事援助、外出支援などが含まれ、住民主体の活動やボランティア、民間事業者も担い手になる。給付という形で個別のサービスを提供するのではなく、地域全体の支え合いの仕組みを整えるという性格を持つ。
選択肢ごとの確認
選択肢 1保険給付ではない。保険給付は、要介護認定を受けた人に対して、居宅サービス・施設サービス・地域密着型サービスとして提供されるものである。地域支援事業は、これとは別枠で市町村が行う事業であり、財源の構成も異なる。
選択肢 2都道府県ではなく市町村の事業である。介護保険の保険者は市町村(および特別区)であり、地域支援事業もその責任で実施される。都道府県は、市町村への支援、事業者の指定と指導(一部)、介護保険審査会の設置などを担う。
選択肢 3介護保険施設で実施されるものではない。地域支援事業は、地域包括支援センター、通いの場、住民の集会所、自宅など、地域のさまざまな場で行われる。介護保険施設は、要介護者が入所して施設サービスを受ける場である。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『保険給付か、事業か』という枠組みの違いが要点になる。保険給付は、認定を受けた個人に対する権利としてのサービス。地域支援事業は、市町村が地域の実情に応じて行う事業で、対象も内容も柔軟である。要支援者の訪問介護と通所介護が予防給付から総合事業へ移行したことも、この文脈で理解できる。財源は、介護保険料と公費で賄われる点は給付と共通する。
理解を深める
地域支援事業の3つの柱を整理する。①介護予防・日常生活支援総合事業=訪問型サービス、通所型サービス、生活支援サービス(配食、見守り)、介護予防ケアマネジメント、一般介護予防事業(通いの場、体操教室)。②包括的支援事業=地域包括支援センターの運営(総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援)、在宅医療・介護連携推進、生活支援体制整備、認知症総合支援(認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員)、地域ケア会議。③任意事業=家族介護支援、成年後見制度利用支援、認知症サポーター養成など。看護師が関わる場面としては、通いの場での健康教育、退院支援での総合事業へのつなぎ、認知症初期集中支援チームへの参画、在宅医療・介護連携の会議への参加がある。制度を知っていることで、要介護認定を受けていない人にも使える資源を提案できる。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が給付との混同・実施主体の誤り・実施の場の誤りである。事業という枠組みで切る。
5分で振り返る
①地域支援事業は市町村が実施する事業で、保険給付とは別枠。②3つの柱=介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業。③生活支援サービスには配食・見守り・家事援助・外出支援が含まれる。④担い手は住民、ボランティア、民間事業者も含む。⑤要支援者の訪問介護と通所介護は総合事業へ移行した。⑥実施の場は地域包括支援センター、通いの場、自宅など。
1分チェック
- 地域支援事業とは何か。→ 市町村が行う事業(保険給付とは別枠)。生活支援サービスに配食が含まれる。
この問題だけを開く午前 問5段階1 暗記
臨床研究の倫理指針で被験者の権利を優先することを提唱しているのはどれか。
解説
臨床研究の倫理指針で被験者の権利を優先することを提唱しているものを問う。ヘルシンキ宣言である。
この問題で問われていること
倫理に関わる主要な宣言を、対象と主題で区別できるか。
しくみから理解する
ヘルシンキ宣言は、1964年に世界医師会が採択した、人を対象とする医学研究の倫理原則である。ニュルンベルク綱領を受け継ぎ、被験者の福利は科学的および社会的利益よりも優先されること、自由意思によるインフォームドコンセント、研究計画の倫理審査委員会による事前審査、被験者のプライバシーの保護、リスクと利益の評価、脆弱な集団への配慮を定める。現在の臨床研究の倫理指針は、この宣言を基礎としている。「被験者の権利を優先する」という点が、この宣言の核心にあたる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1オタワ憲章は、1986年に世界保健機関が採択したヘルスプロモーションに関する憲章である。健康を生きる目的ではなく資源と位置づけ、人々が自らの健康をコントロールし改善できるようにする過程と定義した。研究倫理の文書ではない。
選択肢 2リスボン宣言は、1981年に世界医師会が採択した患者の権利に関する宣言である。良質な医療を受ける権利、選択の自由、自己決定の権利、情報を得る権利、守秘義務、尊厳を得る権利などを定める。診療における患者の権利を扱うもので、研究の倫理ではない。
選択肢 3ジュネーブ宣言は、1948年に世界医師会が採択した、医師の職業倫理の誓い(現代版のヒポクラテスの誓い)である。患者の健康を第一に考えること、守秘義務、差別をしないことなどを宣言する。研究倫理を主題とするものではない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
4つとも医療倫理に関わる文書であり、対象と主題で区別する。ヘルシンキ宣言=人を対象とする医学研究(被験者)。リスボン宣言=診療における患者の権利。ジュネーブ宣言=医師の職業倫理の誓い。オタワ憲章=ヘルスプロモーション。『研究=ヘルシンキ』『患者の権利=リスボン』『医師の誓い=ジュネーブ』『健康づくり=オタワ』と対で覚える。
理解を深める
看護研究においても、これらの原則が適用される。研究計画は倫理審査委員会の承認を得る。対象者には、研究の目的と方法、参加は任意であること、いつでも撤回できること、断っても不利益がないこと、個人情報の扱い、結果の公表方法を説明し、原則として文書または電磁的方法により同意を得る。文書で意思を表明できない場合は、非文書の同意を正式に記録し、証人を立てる方法がヘルシンキ宣言で認められている。国内の指針でも、研究の類型により、記録を伴う口頭での説明と同意や、既存の情報のみを用いる研究における情報の公開と拒否の機会の保障が認められている。患者を対象とする場合、看護師と患者という関係の非対称性から、断りにくさが生じうる点に配慮が要る。とくに、担当している患者に自分の研究への参加を依頼する場面では、第三者を介する、時間をおいて意思を確認するといった工夫をする。人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(国の指針)は、これらの国際的な宣言を踏まえて策定されており、研究者はこれに従う。臨床の場で得たデータを学会で発表する場合も、個人が特定されないよう配慮し、必要な手続きを経る。
間違えやすい考え方
宣言の名称を問う型で、誤肢がすべて医療倫理に関わる別の文書である。対象と主題で切る。
5分で振り返る
①ヘルシンキ宣言=人を対象とする医学研究の倫理原則。被験者の福利が科学的・社会的利益に優先する。②リスボン宣言=診療における患者の権利。③ジュネーブ宣言=医師の職業倫理の誓い。④オタワ憲章=ヘルスプロモーション。⑤研究には倫理審査委員会の承認と、原則として文書または電磁的方法による同意が要る(研究の類型により、記録を伴う口頭の同意や、情報の公開と拒否の機会の保障による方法も認められる)。⑥看護師と患者の関係の非対称性に配慮する。
1分チェック
- 研究における被験者の権利を定めるのは。→ ヘルシンキ宣言(世界医師会、1964年)。
この問題だけを開く午前 問6段階1 暗記
令和元年(2019 年)の国民健康・栄養調査で20 歳以上の男性における喫煙習慣者 の割合に最も近いのはどれか。
解説
令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査で20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合に最も近いものを問う。27%である。
この問題で問われていること
統計の水準と、長期の推移を把握しているか。
しくみから理解する
20歳以上の男性の喫煙習慣者の割合は、長期にわたって減少を続けている。昭和41年(1966年)には8割を超えていたが、健康被害の周知、たばこ税の引き上げ、受動喫煙対策の強化、禁煙支援の普及により、令和元年には27%台まで下がった。その後もさらに低下している。女性は1割弱で推移し、男性ほどの大きな変化はない。喫煙は、がん、循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、妊娠への影響など多くの健康障害の原因であり、予防可能な最大の死亡原因とされる。
選択肢ごとの確認
選択肢 17%は低すぎる。この水準は女性の喫煙率に近い。
選択肢 217%も現在の男性の水準としては低い。ただし減少が続いているため、将来的にこの水準に近づく可能性はある。
選択肢 437%は、平成20年代前半頃の水準にあたる。現在よりは高い。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
男女の差を押さえることが手がかりになる。男性は約3割、女性は約1割、全体では2割弱、という大まかな水準を持っておく。また、いずれも減少傾向にあるという方向も重要である。年代別では、男性は30〜50歳代で高く、女性は40〜50歳代で高い。数値そのものは調査年で動くため、水準と方向で覚える。
理解を深める
健康増進法の改正により、2020年4月から屋内の原則禁煙が施行され、多くの施設で受動喫煙対策が義務づけられた。医療機関、学校、行政機関、児童福祉施設などは敷地内禁煙が原則になる。禁煙支援としては、ニコチン依存症管理料による保険診療での禁煙治療があり、一定の条件(ニコチン依存症のスクリーニングテスト、喫煙年数と本数、直ちに禁煙したいという意思)を満たせば、ニコチン受容体部分作動薬やニコチン置換療法を用いた治療を受けられる。看護師は、外来や病棟、健診の場面で喫煙状況を確認し、禁煙の意思を尋ね、変化の段階(無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期)に応じた働きかけを行う。無関心期の人に禁煙を迫っても効果は乏しく、情報提供と関係づくりが先になる。加熱式たばこについては、健康影響が完全には明らかでないものの、有害物質を含み、受動喫煙の対象にもなるため、紙巻きたばこと同様に扱う。
間違えやすい考え方
統計の数値を問う型で、誤肢が別の年代・別の性の水準である。男女の水準と減少の方向で切る。
5分で振り返る
①男性の喫煙習慣者は約27%(令和元年)で減少を続けている。②女性は1割弱で推移。③昭和41年には男性は8割を超えていた。④健康増進法の改正で2020年4月から屋内は原則禁煙、医療機関と学校は敷地内禁煙。⑤保険診療での禁煙治療がある。⑥働きかけは変化の段階(無関心期〜維持期)に応じて行う。⑦加熱式たばこも紙巻きと同様に扱う。
1分チェック
- 20歳以上の男性の喫煙習慣者の割合は。→ 約27%(減少を続けている。女性は約1割)。
この問題だけを開く午前 問7段階1 暗記
学童期中学年から高学年にみられる、親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動 をとる特徴はどれか。
解説
学童期中学年から高学年にみられる、親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動をとる特徴を問う。ギャングエイジである。
この問題で問われていること
発達段階に現れる現象を、時期と内容で区別できるか。
しくみから理解する
ギャングエイジは、おおむね小学校中学年から高学年(9〜12歳頃)にみられる、同性の仲間による閉鎖的な集団を作って行動する時期を指す。集団には独自の規則や秘密があり、親よりも仲間の価値観を重視するようになる。この経験を通じて、協調性、役割の分担、規則を守ること、対立を解決する力、他者の視点に立つ力が育つ。社会性の発達において重要な段階であり、大人から見ると閉鎖的で扱いにくく見えるが、正常な発達の現れである。
選択肢ごとの確認
選択肢 1心理的離乳は、青年期に、親への依存から脱して精神的に自立していく過程を指す。ホリングワースが提唱した概念で、時期は思春期以降になる。ギャングエイジより後の段階である。
選択肢 2自我の芽生えは、1歳半から3歳頃にみられる、自分の意思を主張する時期を指す。いわゆる第一次反抗期、イヤイヤ期である。時期が大きく異なる。
選択肢 4自我同一性(アイデンティティ)の確立は、エリクソンの発達段階における青年期の課題である。自分は何者か、社会の中でどう生きるかという問いに答えを見出していく過程で、これも思春期以降になる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
発達の現象を、年齢の順に並べて覚える。自我の芽生え(1歳半〜3歳、第一次反抗期)→ギャングエイジ(9〜12歳頃)→心理的離乳・第二次反抗期(思春期)→自我同一性の確立(青年期)。誤肢はいずれも別の時期の現象であり、時期で切れる。設問文に『学童期中学年から高学年』と明記されているため、この年齢に対応する現象を選ぶ。
理解を深める
学童期の発達課題は、エリクソンによれば『勤勉性 対 劣等感』である。学習や活動を通じて、やればできるという感覚を育てる時期であり、その基盤に仲間との関係がある。ギャングエイジの集団経験は、後の対人関係の土台になる。近年は、遊び場の減少、習い事の増加、屋外での自由な遊びの機会の減少により、こうした集団経験が乏しくなっているとの指摘もある。看護の場面では、この年齢の子どもが入院すると、仲間との関係が断たれることが大きな喪失になる。学校生活からの分離、友人に会えないこと、自分だけが違う存在になることへの不安が生じる。対応としては、院内学級や学習の継続、友人との連絡手段の確保(手紙、電話、オンライン)、同じ病棟の同年代の子どもとの交流、退院後の学校復帰の支援(学校への情報提供、必要な配慮の調整)が挙げられる。また、この年齢では自分の病気について理解できる力があり、本人への説明と意思の確認が重要になる。
間違えやすい考え方
発達段階の現象を問う型で、誤肢がすべて別の時期の現象である。年齢の順で切る。
5分で振り返る
①ギャングエイジ=学童期中学年〜高学年(9〜12歳頃)の同性の閉鎖的な仲間集団。②協調性、役割分担、規則、対立の解決を学ぶ正常な発達。③自我の芽生えは1歳半〜3歳(第一次反抗期)。④心理的離乳と自我同一性の確立は思春期以降。⑤学童期の発達課題は勤勉性 対 劣等感。⑥入院は仲間との関係の断絶という喪失を伴う。⑦本人への説明と意思の確認ができる年齢である。
1分チェック
- 学童期中〜高学年の仲間集団の時期は。→ ギャングエイジ(9〜12歳頃)。
この問題だけを開く午前 問8段階1 暗記
壮年期の男性で減少するのはどれか。
解説
壮年期の男性で減少するものを問う。テストステロンである。
この問題で問われていること
加齢に伴うホルモンの変化を、性別と対応づけられるか。
しくみから理解する
テストステロンは精巣のライディッヒ細胞から分泌される男性ホルモンで、男性では思春期に急増し、20歳代でピークを迎えた後、加齢とともに緩やかに減少する。女性の閉経のような急激な変化ではなく、年に1〜2%程度の緩徐な低下をたどる。低下が進むと、性欲の低下、勃起障害、筋肉量と筋力の減少、内臓脂肪の増加、骨密度の低下、疲労感、抑うつ、集中力の低下といった症状が現れる。これらが目立つ状態を加齢男性性腺機能低下症候群と呼ぶことがある。
選択肢ごとの確認
選択肢 1エストロゲンは女性ホルモンで、男性でも副腎と脂肪組織で少量作られる。加齢に伴い、テストステロンが低下する一方、脂肪組織でのアロマターゼによる変換が相対的に増えるため、男性のエストロゲンは減少するとは限らない。
選択肢 2プロラクチンは下垂体前葉から分泌され、乳汁の産生に関わる。男性でも分泌されるが、壮年期に特徴的に減少するホルモンではない。高プロラクチン血症は、下垂体腺腫や薬剤(抗精神病薬など)により生じ、男性でも性腺機能を抑制する。
選択肢 3アルドステロンは副腎皮質から分泌され、ナトリウムと水の再吸収、カリウムの排泄を促す。加齢により分泌はやや低下するが、壮年期の男性に特徴的な変化として問われるものではない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『男性で減るホルモン』を素直に選べばよい。誤肢のうち、プロラクチンは乳汁産生、アルドステロンは電解質調節と、性腺の系統とは別になる。エストロゲンは性腺のホルモンだが、男性では主にテストステロンから変換されて生じるため、加齢とともに緩やかに低下するテストステロンと同じ型の変化は示さない。加齢に伴う性ホルモンの変化は、女性では閉経により急激に、男性では緩やかに、という対比で覚えると理解しやすい。
理解を深める
更年期の症状は、女性では閉経前後の数年に集中し、ホットフラッシュ、発汗、動悸、不眠、抑うつ、腟の乾燥といった形で現れる。男性では変化が緩やかなため、症状も漠然として、疲労感、意欲の低下、不眠、抑うつとして現れ、うつ病や他の疾患と紛らわしい。壮年期は、仕事の責任、子どもの教育、親の介護が重なる時期でもあり、心理社会的な負担も加わる。看護としては、症状を年齢のせいと片付けず、身体的な評価(血液検査、生活習慣病の有無)と心理社会的な状況の両方を確認する。生活習慣の改善(運動、睡眠、禁煙、節酒、体重管理)は、テストステロンの維持にも有効とされる。症状が強い場合は、男性ホルモン補充療法が検討されるが、前立腺癌の有無を確認したうえで行う。この時期の健康行動が、その後の高齢期の状態を大きく左右するため、健診の受診と生活習慣の見直しを働きかける意義は大きい。
間違えやすい考え方
ホルモンの変化を問う型で、男性における加齢の変化の型で切る。誤肢には、別の系統のホルモンと、性腺の系統でありながら男性では同じ低下の型を示さないものが混ざる。
5分で振り返る
①テストステロンは精巣のライディッヒ細胞から分泌され、20歳代がピークで年1〜2%ずつ低下する。②低下により性欲低下、筋肉量減少、内臓脂肪増加、骨密度低下、疲労、抑うつが生じる。③女性の閉経のような急激な変化ではない。④エストロゲンは女性ホルモン、プロラクチンは乳汁産生、アルドステロンは電解質調節。⑤男性の更年期症状は漠然としてうつ病と紛らわしい。⑥生活習慣の改善がテストステロンの維持に有効。
1分チェック
- 壮年期の男性で減少するホルモンは。→ テストステロン(緩やかに低下する)。
この問題だけを開く午前 問10段階1 暗記
医療法に規定されている診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないも の又は( )人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。 ( )に入る数字はどれか。
解説
医療法に規定されている診療所の定義における病床数を問う。19人以下である。
この問題で問われていること
医療提供施設の区分を、病床数という基準で把握しているか。
しくみから理解する
医療法では、病院を「20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの」、診療所を「患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と定めている。したがって、19床以下が診療所、20床以上が病院という区分になる。この境界は、人員配置基準、構造設備の基準、行政への手続き(臨床研修等修了医師・臨床研修等修了歯科医師が診療所を開設したときは開設後の届出で足りるが、それ以外の者が診療所を開設する場合と、病院を開設する場合は、都道府県知事の許可を要する)といった規制の違いに直結する。
選択肢ごとの確認
選択肢 420人以下とすると、20床の施設が診療所になってしまい、病院の定義(20人以上)と重なる。境界は19と20の間にある。
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混同しやすいポイント
19と20という隣り合う数字が選択肢に並んでおり、境界を正確に覚えているかが問われる。『病院は20床以上』と覚えておけば、診療所はその1つ下、19床以下と導ける。あわせて、無床診療所(入院設備を持たない診療所)も診療所に含まれる点を押さえる。
理解を深める
医療法が定める医療提供施設には、病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤薬局がある。病院のうち、特定機能病院(高度な医療の提供、400床以上、厚生労働大臣の承認)、地域医療支援病院(かかりつけ医の支援、200床以上、都道府県知事の承認)、臨床研究中核病院は、それぞれ要件と役割が定められている。助産所は、9人以下の妊婦・産婦・褥婦を入所させる施設で、10人以上は認められない。医療法はほかに、医療計画(都道府県が策定し、5疾病6事業と在宅医療について定める)、医療安全の確保(指針の策定、委員会の設置、職員研修、事故報告の体制)、診療に関する諸記録の保存(看護記録を含み過去2年間)、広告の制限、人員配置基準を定める。看護師にとっては、自分が働く施設がどの区分にあたり、どのような基準で運営されているかを知る枠組みになる。
間違えやすい考え方
数値の境界を問う型で、誤肢が近い数字である。『病院は20床以上』から導く。
5分で振り返る
①診療所=入院設備がないか19人以下。病院=20人以上。②助産所は9人以下(10人以上は不可)。③特定機能病院は400床以上で厚生労働大臣の承認、地域医療支援病院は200床以上で都道府県知事の承認。④医療法は医療計画(5疾病6事業と在宅医療)も定める。⑤診療に関する諸記録に看護記録が含まれ、保存は過去2年間。⑥手続きは開設者の資格でも変わる。臨床研修等修了医師・臨床研修等修了歯科医師が診療所を、助産師が助産所を開設したときは開設後の届出で足りる。それ以外の者による診療所の開設と、病院の開設は、都道府県知事の許可を要する。
1分チェック
- 診療所の病床数は。→ 19人以下(病院は20人以上)。
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