壮年期の男性で減少するのはどれか。
公式正答:4
解説
壮年期の男性で減少するものを問う。テストステロンである。
この問題で問われていること
加齢に伴うホルモンの変化を、性別と対応づけられるか。
しくみから理解する
テストステロンは精巣のライディッヒ細胞から分泌される男性ホルモンで、男性では思春期に急増し、20歳代でピークを迎えた後、加齢とともに緩やかに減少する。女性の閉経のような急激な変化ではなく、年に1〜2%程度の緩徐な低下をたどる。低下が進むと、性欲の低下、勃起障害、筋肉量と筋力の減少、内臓脂肪の増加、骨密度の低下、疲労感、抑うつ、集中力の低下といった症状が現れる。これらが目立つ状態を加齢男性性腺機能低下症候群と呼ぶことがある。
選択肢ごとの確認
エストロゲンは女性ホルモンで、男性でも副腎と脂肪組織で少量作られる。加齢に伴い、テストステロンが低下する一方、脂肪組織でのアロマターゼによる変換が相対的に増えるため、男性のエストロゲンは減少するとは限らない。
プロラクチンは下垂体前葉から分泌され、乳汁の産生に関わる。男性でも分泌されるが、壮年期に特徴的に減少するホルモンではない。高プロラクチン血症は、下垂体腺腫や薬剤(抗精神病薬など)により生じ、男性でも性腺機能を抑制する。
アルドステロンは副腎皮質から分泌され、ナトリウムと水の再吸収、カリウムの排泄を促す。加齢により分泌はやや低下するが、壮年期の男性に特徴的な変化として問われるものではない。
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混同しやすいポイント
『男性で減るホルモン』を素直に選べばよい。誤肢のうち、プロラクチンは乳汁産生、アルドステロンは電解質調節と、性腺の系統とは別になる。エストロゲンは性腺のホルモンだが、男性では主にテストステロンから変換されて生じるため、加齢とともに緩やかに低下するテストステロンと同じ型の変化は示さない。加齢に伴う性ホルモンの変化は、女性では閉経により急激に、男性では緩やかに、という対比で覚えると理解しやすい。
理解を深める
更年期の症状は、女性では閉経前後の数年に集中し、ホットフラッシュ、発汗、動悸、不眠、抑うつ、腟の乾燥といった形で現れる。男性では変化が緩やかなため、症状も漠然として、疲労感、意欲の低下、不眠、抑うつとして現れ、うつ病や他の疾患と紛らわしい。壮年期は、仕事の責任、子どもの教育、親の介護が重なる時期でもあり、心理社会的な負担も加わる。看護としては、症状を年齢のせいと片付けず、身体的な評価(血液検査、生活習慣病の有無)と心理社会的な状況の両方を確認する。生活習慣の改善(運動、睡眠、禁煙、節酒、体重管理)は、テストステロンの維持にも有効とされる。症状が強い場合は、男性ホルモン補充療法が検討されるが、前立腺癌の有無を確認したうえで行う。この時期の健康行動が、その後の高齢期の状態を大きく左右するため、健診の受診と生活習慣の見直しを働きかける意義は大きい。
間違えやすい考え方
ホルモンの変化を問う型で、男性における加齢の変化の型で切る。誤肢には、別の系統のホルモンと、性腺の系統でありながら男性では同じ低下の型を示さないものが混ざる。
5分で振り返る
①テストステロンは精巣のライディッヒ細胞から分泌され、20歳代がピークで年1〜2%ずつ低下する。②低下により性欲低下、筋肉量減少、内臓脂肪増加、骨密度低下、疲労、抑うつが生じる。③女性の閉経のような急激な変化ではない。④エストロゲンは女性ホルモン、プロラクチンは乳汁産生、アルドステロンは電解質調節。⑤男性の更年期症状は漠然としてうつ病と紛らわしい。⑥生活習慣の改善がテストステロンの維持に有効。
1分チェック
- 壮年期の男性で減少するホルモンは。→ テストステロン(緩やかに低下する)。
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