令和元年(2019 年)の介護サービス施設・事業所調査において、介護保険制度に よる訪問看護の利用者の特徴で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
令和元年の介護サービス施設・事業所調査における介護保険制度による訪問看護の利用者の特徴を問う。医療保険制度による利用者よりも多いことである。
この問題で問われていること
訪問看護の利用を、保険別・要介護度別・傷病別に把握しているか。
しくみから理解する
訪問看護の利用者は、介護保険による利用が医療保険による利用を上回る。訪問看護は、要介護認定を受けていれば原則として介護保険が優先されるためで、高齢者が利用者の大半を占めることが背景にある。医療保険による訪問看護は、要介護認定を受けていない人、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する人、急性増悪により特別訪問看護指示書が出された人、精神科訪問看護の対象者が中心になる。近年は、医療的ケア児や精神疾患のある人への訪問が増え、医療保険による利用も伸びている。
選択肢ごとの確認
要介護5が最も多いわけではない。利用者は要介護1から要介護3あたりに多く分布する。要介護5では、施設入所や長期の入院となる人もおり、また訪問看護以外のサービスの利用も増える。
傷病別では悪性新生物が最も多いわけではない。循環器系の疾患(脳血管疾患を含む)が最も多く、次いで神経系の疾患、筋骨格系の疾患と続く。悪性新生物は、医療保険による訪問看護では末期の場合に対象となり重要だが、介護保険による利用者全体では最多ではない。
要支援1、2の利用者が4割を占めることはない。要支援者は介護予防訪問看護の対象になるが、割合としては小さい。
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混同しやすいポイント
統計の細部を覚えるより、制度の構造から導けるものを押さえる。介護保険が優先される仕組み=介護保険の利用者が多い。要介護度は中程度に多く分布する。傷病は循環器系(脳血管疾患の後遺症)が中心。この3点を持っておけば、多くの設問に対応できる。数値は調査年により変動するため、順位と大きな傾向で覚える。
理解を深める
訪問看護の内容は、病状の観察、療養上の世話(清潔、排泄、食事)、医療処置(褥瘡の処置、点滴、カテーテルの管理、人工呼吸器の管理)、リハビリテーション、服薬の管理、療養指導、家族への支援、多職種との連携、そして看取りの支援に及ぶ。医療保険と介護保険では、利用の回数と時間の制限、1日の訪問回数、複数名での訪問の可否、加算の内容が異なる。厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、パーキンソン病関連疾患の一定の重症度など)に該当すれば、医療保険で回数の制限なく訪問できる。この振り分けは実務上重要で、看護師も理解しておく必要がある。訪問看護指示書は主治医が交付し、有効期間は最長6か月。急性増悪時には特別訪問看護指示書が交付され、14日間を限度に医療保険で毎日の訪問が可能になる。
間違えやすい考え方
統計を問う型で、誤肢が要介護度・傷病・割合の誤りである。制度の構造から導ける点で切る。
5分で振り返る
①要介護認定があれば原則として介護保険が優先→介護保険による利用が多い。②医療保険は、認定なし、厚生労働大臣が定める疾病等、特別訪問看護指示書、精神科訪問看護が対象。③要介護度は1〜3あたりに多く分布。④傷病は循環器系(脳血管疾患)が最多。⑤訪問看護指示書の有効期間は最長6か月。⑥特別訪問看護指示書は14日を限度に毎日の訪問が可能。⑦近年は医療的ケア児と精神疾患への訪問が増えている。
1分チェック
- 訪問看護の利用は。→ 介護保険による利用が医療保険より多い(介護保険が優先されるため)。
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