A さん(40 歳、男性)は数年前に schizophrenia 統合失調症と診断された。最近、仕事を辞め て、訪問看護を利用しながら1 人で暮らしている。訪問看護師に「病気になってか ら孤独だ。これからどのように生きていけば良いか、同じような体験をしている人 と話してみたい」と打ち明けた。 A さんの支援を行う上で連携する者として優先度が高いのはどれか。
公式正答:3
解説
統合失調症のある40歳男性が「同じような体験をしている人と話したい」と希望した場面で、つなぐ相手を問う。ピアサポーターである。
この問題で問われていること
本人の希望に対応する支援者を、それぞれの立場の違いから選べるか。
しくみから理解する
ピア(peer)は仲間を意味し、ピアサポーターは同じ疾患や困難を経験した当事者として、その経験を活かして他の当事者を支援する人をいう。専門職による支援とは異なり、体験を共有していることから生まれる共感と、回復のモデルとしての存在が支えになる。設問の男性は『同じような体験をしている人と話したい』と明確に述べており、これに直接応えられるのはピアサポーターである。
選択肢ごとの確認
心理に関する支援を行う国家資格の専門職である。心理検査、カウンセリング、心理教育を担うが、同じ疾患を体験した当事者ではない。
判断能力が不十分な人の財産管理や身上保護を法的に代理する立場である。設問には判断能力の低下や財産管理の問題は示されていない。
就労支援の場を運営する立場であり、働く場を求めているのであれば適切だが、この人の希望は『同じ体験をした人と話すこと』であって就労ではない。
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混同しやすいポイント
設問文にある本人の言葉が、そのまま答えを示している。『同じような体験をしている人』という表現に対応するのはピアという概念だけである。他の3肢はいずれも実在する重要な支援者だが、この人の希望とは対応しない。本人の言葉を丁寧に読むことが要点である。
理解を深める
ピアサポートは、精神保健の領域でリカバリー(回復)の考え方とともに広がってきた。リカバリーは、症状が消えることではなく、疾患を抱えながらも自分らしく意味のある生活を築いていく過程を指す。ピアサポーターの存在は、『この病気があっても生きていける』という希望をもたらす点で、専門職には代えがたい役割を果たす。制度としても、障害福祉サービスにピアサポート体制加算が設けられるなど、位置づけが進んでいる。自助グループ(当事者会、家族会、断酒会、アルコホーリクス・アノニマスなど)も同様の機能をもつ。看護師の役割は、本人の希望を聞き取り、地域にどのような資源があるかを把握して橋渡しすることである。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢がすべて実在する支援者である。設問文の本人の言葉と対応するかで選ぶ。希望を読まずに『専門職が対応すべき』と考えると外す。
5分で振り返る
①ピアサポーター=同じ体験をした当事者による支援。②専門職にはない共感と回復のモデルとしての意味を持つ。③リカバリー=症状の消失ではなく自分らしい生活を築く過程。④自助グループも同様の機能。⑤看護師の役割は希望の聞き取りと資源への橋渡し。
1分チェック
- 同じ体験をした人と話したいという希望に応えるのは誰か。→ ピアサポーター。
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