午前 問1段階1 暗記
令和5 年(2023 年)推計による日本の将来推計人口で、令和42 年(2060 年)の将来 推計人口に最も近いのはどれか。
解説
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」に基づく出題。2060年の総人口が約9,600万人になるという中位推計の値を知っているかを問う。日本の人口は2008年の約1億2,808万人をピークに減少局面へ入っており、2060年には1億人を割り込む。
この問題で問われていること
2060年時点の日本の総人口の見込みを、選択肢の4つの水準から選ぶ。細かい端数ではなく「1億人を上回るか下回るか」「9千万人台か1億人台か」という桁の感覚を持っているかが問われている。
しくみから理解する
人口の増減は「出生数-死亡数」(自然増減)と「入国者-出国者」(社会増減)で決まる。日本は合計特殊出生率が人口置換水準(約2.07)を大きく下回る状態が長く続き、同時に高齢化で死亡数が増えているため、自然減が拡大している。社会増(外国人の流入)はこれを補うほどの規模ではない。したがって総人口は減り続け、2060年には9千万人台まで落ちる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1減少のペースを過大に見積もった値。2060年までの約35年でここまで減るとすると年間100万人超の純減が続く計算になり、推計の前提と合わない。おおむね2100年前後に近づく水準である。
選択肢 32050年代前半に相当する水準で、2060年としては減少を過小に見積もっている。1億人を割る時期は2050年代と推計されており、2060年に1億人台は残っていない。
選択肢 42020年前後の実績値に近い。これは推計ではなく現在の人口であり、35年後の値としては明らかに大きすぎる。
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混同しやすいポイント
「将来推計人口」と「現在の総人口」を取り違えやすい。また推計には出生・死亡の高位/中位/低位の仮定があり、国家試験で問われるのは原則として中位推計である。年次(令和5年推計か、それ以前の推計か)によって値が動く点にも注意する。
理解を深める
人口推計は5年ごとの国勢調査を基礎に、おおむね5年間隔で改定される。試験対策としては「ピークは2008年の約1億2,808万人」「2050年代に1億人を割る」「2060年に約9,600万人」「高齢化率は2060年に約38%」という4点をセットで覚えると、関連するどの問い方にも対応できる。人口ピラミッドの形(つぼ型)と合わせて理解しておくと、老年人口指数や従属人口指数の問題にもつながる。
間違えやすい考え方
統計の数値問題では、選択肢が等間隔に並べられていると『真ん中が正解』と当てにいきたくなる。この問題は2番目が正解で、その誘導は効かない。数値そのものではなく『いつ1億人を割るか』という節目で覚えていれば迷わない。
5分で振り返る
①日本の人口ピークは2008年・約1億2,808万人。②2050年代に1億人を割る。③2060年に約9,600万人。④同年の高齢化率は約38%。⑤推計は国立社会保障・人口問題研究所が公表し、中位推計が基準。
1分チェック
- 2060年の日本の総人口はおよそ何万人か。→ 約9,600万人(令和5年推計・中位)。
この問題だけを開く午前 問2段階1 暗記
警察庁の「令和4 年中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多い のはどれか。
解説
警察庁「令和4年中における自殺の状況」で、自殺者の原因・動機として最も多いものを問う。令和4年の公表値では健康問題が最多で、以下、家庭問題、経済・生活問題、勤務問題と続く。
この問題で問われていること
自殺の原因・動機の順位を知っているか。特に『健康問題が最多』という点が、自殺対策の重点をどこに置くかという政策判断につながるため繰り返し問われる。
しくみから理解する
原因・動機は、遺書等の資料と家族等の証言から推定され、1人につき複数計上される。この判断資料と、1人につき計上できる数は令和4年から変更されており、令和3年以前の数値と単純に比較することはできない。健康問題にはうつ病などの精神疾患、身体の病気、身体障害が含まれ、これが全体の中で最も大きな塊になる。自殺は単一の原因ではなく、健康・経済・家庭などが連鎖して起こることが多いが、令和4年の統計における最頻カテゴリーは健康問題である。
選択肢ごとの確認
選択肢 1上位には入るが最多ではない。夫婦関係の不和や家族の将来悲観などが含まれる。
選択肢 2職場の人間関係や仕事疲れなどが含まれるが、件数としては健康問題や経済・生活問題より少ない。過労自殺が社会的に注目されるため多いと錯覚しやすい。
選択肢 4健康問題に次ぐ位置にあることが多く、迷わせる肢。生活苦や負債が含まれるが、最多ではない。
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混同しやすいポイント
報道の印象で『勤務問題(過労)が最多』と思い込みやすい点が最大の落とし穴。また『自殺者数』と『自殺死亡率(人口10万対)』、『原因・動機』と『職業別・年齢別の分布』を混同しやすい。統計の所管が厚生労働省ではなく警察庁である点も押さえる。
理解を深める
自殺統計には警察庁の「自殺統計」と厚生労働省の「人口動態統計」の2系統があり、対象の定義(日本における外国人を含むか等)が異なるため数値がずれる。自殺対策基本法に基づく自殺総合対策大綱では、生きることの包括的な支援として、うつ病対策だけでなく生活困窮者支援や職場のメンタルヘルスを組み合わせる方針が示されている。『健康問題が最多』は、ゲートキーパー研修やかかりつけ医との連携が重視される根拠になっている。
間違えやすい考え方
4つの選択肢がどれも実在する原因カテゴリーで、消去法が効かない。順位を暗記していないと当てられない型。『健康問題が最多、次いで経済・生活問題』の2つだけ確実にしておく。
5分で振り返る
①統計は警察庁「自殺の状況」。②令和4年の原因・動機の最多は健康問題。③次いで家庭問題、経済・生活問題、勤務問題の順。④原因・動機は1人につき複数計上される。令和4年から、判断の資料に遺書等に加えて家族等の証言が加えられ、1人につき計上できる数も増やされた。この変更のため令和3年以前との単純な比較はできない。⑤自殺対策基本法と自殺総合対策大綱が施策の枠組み。
1分チェック
- 自殺の原因・動機で最も多いのは何か。→ 健康問題。
この問題だけを開く午前 問4段階1 暗記
土壌中に分布し感染を引き起こすのはどれか。
解説
土壌に分布し、そこから感染を起こす代表的な細菌を選ぶ。破傷風菌 Clostridium tetani は土壌中に芽胞の形で広く存在し、創傷から侵入して発症する。
この問題で問われていること
病原体ごとの『どこにいて、どう入ってくるか』を対応づけられるか。感染源(リザーバー)と感染経路をセットで覚えているかが問われる。
しくみから理解する
破傷風菌は偏性嫌気性の芽胞形成菌で、芽胞は乾燥・熱・消毒薬に強く、土壌中で長期間生存する。釘やとげによる創傷など、酸素が届きにくい深い傷(嫌気的環境)で発芽・増殖し、テタノスパスミンという神経毒素を産生する。この毒素が抑制性の介在ニューロンの伝達を遮断するため、筋が持続的に収縮し、開口障害(牙関緊急)、痙笑、後弓反張といった特徴的な症状を生じる。
選択肢ごとの確認
選択肢 1ヒトが感染源で、経路は空気感染(飛沫核感染)。土壌ではなく感染者の咳などから広がる。
選択肢 2感染源は汚染された水や食品で、経路は経口感染。淡水・汽水域の水系に関連し、土壌ではない。
選択肢 4鶏肉などの食品や動物の腸管が感染源で、経路は経口感染。細菌性食中毒の代表であり土壌由来ではない。
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混同しやすいポイント
『芽胞をつくる=土壌にいる』という連想は破傷風菌・ボツリヌス菌・ガス壊疽菌(ウェルシュ菌)に当てはまるが、同じ芽胞形成菌でもボツリヌスは食品(はちみつ、瓶詰)経由が問われやすい。乳児ボツリヌス症とはちみつの組合せは別問題として頻出。
理解を深める
破傷風は予防接種で防げる疾患であり、日本では四種混合ワクチン(DPT-IPV)に破傷風トキソイドが含まれる。創傷時には受傷後の予防として、ワクチン接種歴に応じてトキソイドの追加接種や抗破傷風ヒト免疫グロブリンを用いる。高齢者は定期接種が始まる前の世代で抗体を持たないことがあり、農作業やがれき処理での受傷が問題になる。災害看護でも押さえるべき論点である。
間違えやすい考え方
『土壌』という語に対応する菌を1つ知っていれば即答できるが、知らないと4肢とも有名な菌なので当てられない。感染源と経路の対応表を作っていないと落とす型。
5分で振り返る
①破傷風菌は土壌の芽胞、創傷から侵入。②毒素テタノスパスミンで開口障害・後弓反張。③結核菌は空気感染。④コレラ菌は水・食品の経口感染。⑤カンピロバクターは鶏肉など食品の経口感染。
1分チェック
- 土壌から創傷を通じて感染する芽胞形成菌は何か。→ 破傷風菌。
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居宅サービス計画〈ケアプラン〉の作成を業務とするのはどれか。
解説
介護保険の居宅サービス計画(ケアプラン)を作成する職種を問う。介護支援専門員(ケアマネジャー)が担う。
この問題で問われていること
介護保険の給付が実際に動く流れの中で、誰が計画を立てるのかという役割分担を知っているか。
しくみから理解する
要介護認定を受けた利用者が居宅サービスを使うには、どのサービスをどれだけ組み合わせるかを定めた居宅サービス計画が必要になる。これを作成し、サービス事業者との連絡調整、給付管理まで行うのが介護支援専門員である。介護支援専門員は、保健・医療・福祉分野で一定の実務経験を持つ者が試験と研修を経て都道府県知事の登録を受ける公的資格で、居宅介護支援事業所に所属して業務を行う。
選択肢ごとの確認
選択肢 1訪問看護計画は作成するが、居宅サービス計画そのものの作成者ではない。ただし実務経験を積んで介護支援専門員の資格を取得することはできる。
選択肢 2介護の実践と指導を担う国家資格で、計画の作成者ではない。これも介護支援専門員の受験資格につながる基礎資格の一つである。
選択肢 4精神障害者の相談援助を行う国家資格で、介護保険の居宅サービス計画の作成を業務とはしない。
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混同しやすいポイント
『ケアプラン』という語が、居宅サービス計画・施設サービス計画・介護予防サービス計画のどれを指すかで作成者が変わる。介護予防サービス計画(要支援者)は地域包括支援センターが作成する点が別に問われる。また訪問看護計画書・看護計画とは別物である。
理解を深める
居宅サービス計画は利用者自身が作成すること(セルフケアプラン)も制度上は可能だが、実際はほとんどが介護支援専門員による。計画作成の流れは、アセスメント→原案作成→サービス担当者会議→利用者の同意→交付→モニタリングという循環で、これは看護過程と同じ構造である。介護保険の申請先は市町村、要介護区分を判定するのは介護認定審査会、決定は市町村という役割分担も一緒に覚える。
間違えやすい考え方
4肢とも医療・福祉の専門職名で、知らないと選べない。『計画を作る人=介護支援専門員』という一対一対応を確実にしておく。
5分で振り返る
①居宅サービス計画=介護支援専門員が作成。②介護予防サービス計画=地域包括支援センター。③申請先は市町村。④判定は介護認定審査会。⑤決定は市町村。
1分チェック
- 居宅サービス計画を作成するのは誰か。→ 介護支援専門員。
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Maslow, A. H. マズロー, A. H. の基本的欲求の階層で、集団の一員でありたいという欲求はど れか。
解説
マズローの欲求階層説で『集団の一員でありたい』という欲求がどの段階に当たるかを問う。所属と愛の欲求(社会的欲求)である。
この問題で問われていること
5段階それぞれの内容を、具体的な言葉づかいから判別できるか。設問文の『集団の一員でありたい』が所属を指すことを見抜けるかが要点。
しくみから理解する
マズローは人間の欲求を、生理的欲求→安全の欲求→所属と愛の欲求→承認(自尊)の欲求→自己実現の欲求の5段階で示し、低次の欲求が満たされると高次の欲求が現れると考えた。所属と愛の欲求は、家族・友人・職場など何らかの集団に受け入れられ、愛情のある関係を築きたいという欲求である。看護では、入院によって家族や職場から切り離された患者にこの欲求の充足が損なわれることを踏まえ、面会や患者会などの支援を考える。
選択肢ごとの確認
選択肢 1身の安全、経済的安定、健康の維持など、危険から守られたいという第2段階の欲求。集団への帰属とは異なる。
選択肢 2他者から認められ尊重されたい、自分に自信を持ちたいという第4段階の欲求。所属した集団の中で『評価されたい』段階であり、『一員でありたい』より一段上になる。
選択肢 3自分の可能性を最大限に発揮したいという最高次の欲求。他者との関係よりも自分自身の成長に向かう。
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混同しやすいポイント
所属と愛の欲求と承認の欲求は、どちらも他者が関わるため混同しやすい。『集団に入りたい』のが所属、『集団の中で認められたい』のが承認、と行動の向きで切り分ける。設問が『社会的欲求』という言い換えで出ることもある。
理解を深める
看護では、患者のニーズに優先順位をつける根拠としてこの階層が使われる。生命に直結する生理的欲求(呼吸・循環・栄養・排泄)が最優先で、次いで安全(転倒・誤薬の防止)となる。ただし実際の臨床では、終末期に自己実現の支援が生理的欲求より優先される場面もあり、階層は絶対的な順序ではなく判断の枠組みとして用いる。ヘンダーソンの14の基本的欲求、オレムのセルフケア理論と並べて理解しておくとよい。
間違えやすい考え方
5段階の名称は知っていても、設問文の口語表現(『一員でありたい』『認められたい』『自分らしく生きたい』)と段階の対応を練習していないと迷う。言い換えのパターンで覚える。
5分で振り返る
①生理的欲求(呼吸・食事・排泄・睡眠)。②安全の欲求。③所属と愛の欲求=集団に受け入れられたい。④承認の欲求=認められたい。⑤自己実現の欲求=可能性の発揮。
1分チェック
- 『集団の一員でありたい』はマズローのどの欲求か。→ 所属と愛の欲求(社会的欲求)。
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Down syndrome Down〈ダウン〉症候群の原因となるのはどれか。
解説
ダウン症候群の原因となる染色体を問う。21番染色体が3本になる21トリソミーである。
この問題で問われていること
代表的な常染色体異常について、番号と疾患名の対応を覚えているか。
しくみから理解する
ヒトの体細胞は22対の常染色体と1対の性染色体をもつ。減数分裂の際に染色体の不分離が起こると、配偶子に染色体が1本多い、あるいは少ない状態が生じる。21番染色体が3本になったものが21トリソミー=ダウン症候群で、常染色体異常の中で最も頻度が高い。21番は最も小さい常染色体の一つで、遺伝子量の増加による影響が生存可能な範囲にとどまるため、出生に至る頻度が高い。特徴として筋緊張低下、特徴的な顔貌、知的発達症があり、約半数に先天性心疾患(心内膜床欠損症など)を合併する。母体年齢の上昇とともに発生頻度が高くなる。
選択肢ごとの確認
選択肢 15番染色体短腕の欠失は猫鳴(ネコ鳴き)症候群の原因で、トリソミーではなく部分欠失である。
選択肢 213トリソミーはパトー症候群。全前脳胞症、口唇口蓋裂などを伴い予後不良。
選択肢 318トリソミーはエドワーズ症候群。手指の重なり、揺り椅子状足底などが特徴で予後不良。
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混同しやすいポイント
13・18・21のトリソミー3つを取り違えやすい。『パトー13、エドワーズ18、ダウン21』と番号順に並べて覚える。またダウン症候群には標準型21トリソミーのほか転座型・モザイク型があり、転座型は次子再発リスクの説明で親の染色体検査が問われることがある。
理解を深める
出生前検査との関連も問われる。母体血清マーカー検査や母体血胎児染色体検査(NIPT)は非確定的検査であり、確定診断には羊水検査・絨毛検査が必要である。検査を受けるかどうかは本人・家族の意思決定であり、看護師には遺伝カウンセリングにつなぐ役割がある。合併する先天性心疾患、頸椎(環軸椎)不安定性、甲状腺機能低下症、白血病のリスクなどは、成長に応じた健康管理の要点になる。
間違えやすい考え方
染色体番号を選ばせる問題は、番号自体に手掛かりがないため知識がなければ当たらない。逆に3つのトリソミーを覚えていれば消去法が完全に働く。
5分で振り返る
①ダウン=21トリソミー、常染色体異常で最多。②パトー=13トリソミー。③エドワーズ=18トリソミー。④猫鳴症候群=5番短腕欠失。⑤母体年齢上昇で頻度増加、約半数に先天性心疾患。
1分チェック
- ダウン症候群の原因となる染色体は何番か。→ 21番(21トリソミー)。
この問題だけを開く午前 問8段階1 暗記
乳幼児期の手先の運動で最も早くできるようになるのはどれか。
解説
乳幼児期の手先の運動(微細運動)で最も早く獲得されるものを問う。ガラガラを握る動作が最も早い。
この問題で問われていること
微細運動の発達を時系列に並べられるか。反射的な把握から随意的な操作へ、という方向性を理解しているかが問われる。
しくみから理解する
運動発達には『頭部から尾部へ』『中枢から末梢へ』『粗大運動から微細運動へ』という原則がある。新生児期には手掌把握反射(原始反射)があり、手のひらに触れたものを反射的に握る。この反射が3〜4か月で消失するのと入れ替わるように随意的な把握が現れ、生後4〜5か月頃にガラガラなどを自分で握れるようになる。その後、母指と他指で挟む握り(熊手状把握)を経て、9〜12か月頃に母指と示指の指先でつまむピンセットつまみが完成する。積み木を積む、円を描く、はさみを使うといった動作は、この基礎の上に順に獲得される。
選択肢ごとの確認
選択肢 1両手の協調と道具の操作が必要で、3歳前後から可能になる最も遅い動作。
選択肢 2模倣して円を描けるのは3歳頃。なぐり描きは1歳過ぎからできるが、閉じた円は後になる。
選択肢 4積み木を2個積めるのが1歳頃、数個の塔は1歳半〜2歳。ガラガラを握るより明らかに遅い。
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混同しやすいポイント
『握る』と『つまむ』の区別が要点。手掌把握反射(生下時からあり3〜4か月で消失)と随意的な把握(4〜5か月)を混同すると、時期の判断がずれる。また粗大運動(首がすわる・座る・歩く)の時期と混ぜて覚えると混乱する。
理解を深める
微細運動の発達は、乳幼児健康診査でのチェック項目でもある。1歳6か月児健診では積み木を積めるか、指先でつまめるか、3歳児健診では円を描けるか等が発達の目安として使われる。デンバー発達判定法(DENVER II)では、粗大運動・微細運動-適応・言語・個人-社会の4領域で評価する。看護としては、月齢に対して遅れがあるときに単純に『遅い』と判断せず、出生歴、環境、他領域の発達との釣り合いをみて、必要に応じて専門機関につなぐ視点が求められる。
間違えやすい考え方
4肢すべてが実在する発達項目で、順序を知らないと当たらない。『反射→随意的把握→つまむ→道具の操作』という一本の流れで覚えていれば迷わない。
5分で振り返る
①手掌把握反射は生下時〜3・4か月。②随意的に握るのが4〜5か月。③つまむ(ピンセットつまみ)は9〜12か月。④積み木2個は1歳頃。⑤円を描く・はさみは3歳前後。
1分チェック
- 微細運動で最も早くできるのはどれか。→ ガラガラを握る(4〜5か月)。
この問題だけを開く午前 問9段階2 理解
乳児期と比べて学童期にみられる身体生理機能の変化はどれか。
解説
乳児期と比べて学童期にみられる身体生理機能の変化を問う。血圧は成長とともに上昇する。
この問題で問われていること
小児のバイタルサインと臓器機能が、成長に伴ってどちらの方向へ変化するかを整理できているか。
しくみから理解する
小児は成長に伴い、心臓が大きくなって1回拍出量が増え、末梢血管抵抗も上がるため、血圧は年齢とともに上昇する。逆に心拍数と呼吸数は年齢とともに減少する。これは体重あたりの代謝率が乳児で高く、それを補うために心拍数・呼吸数を多くしているためで、成長により1回あたりの効率が上がると回数は減る。胃容量と膀胱容量はいずれも増大し、そのためまとまった量を食べられるようになり、排尿間隔も延びる。呼吸様式は、乳児期の腹式(横隔膜)呼吸から、肋間筋の発達と胸郭の形態変化により胸腹式を経て胸式へ移行する。
選択肢ごとの確認
選択肢 2逆で、胃容量は増大する。新生児で約50mL、1歳で約400〜500mL、成人で1,000〜1,500mL程度まで増える。
選択肢 3逆で、膀胱容量は増大する。増大に伴って排尿回数が減り、随意的な排尿コントロールが可能になる。
選択肢 4方向が逆。乳児は腹式呼吸で、成長に伴って胸式呼吸へ移行する。乳児が腹式なのは肋骨がほぼ水平位で胸郭を広げにくく、肋間筋も未発達なためである。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『増える/減る』の方向を問う問題で、心拍数・呼吸数が減るのに血圧は上がる、という逆向きの変化を同時に覚える必要がある。誤肢3つがすべて『減少』『腹式へ』と逆向きに作られており、方向さえ押さえていれば全部落とせる。
理解を深める
小児のバイタルサインの基準値は年齢で大きく変わるため、実測値の評価には年齢別の正常範囲が要る。おおまかには、心拍数は新生児120〜140/分→学童80〜90/分、呼吸数は新生児40〜50/分→学童20/分前後、収縮期血圧は新生児60〜80mmHg→学童100〜110mmHg程度と変化する。乳児が腹式呼吸であることは、腹部膨満や腹帯の締めすぎが呼吸を妨げるという看護上の注意につながる。
間違えやすい考え方
設問が『乳児期と比べて学童期にみられる変化』という比較の形なので、方向を逆に読むと全滅する。基準となる時期がどちらかを最初に確認する。
5分で振り返る
①血圧は上昇。②心拍数・呼吸数は減少。③胃容量・膀胱容量は増大。④呼吸は腹式→胸式へ移行。⑤乳児が腹式なのは肋骨が水平位で肋間筋が未発達だから。
1分チェック
- 乳児から学童になると血圧はどうなるか。→ 上昇する(心拍数・呼吸数は減少)。
この問題だけを開く午前 問10段階1 暗記
令和4 年(2022 年)の国民生活基礎調査で、世帯総数における核家族世帯の割合 に最も近いのはどれか。
解説
国民生活基礎調査における核家族世帯の割合を問う。世帯総数の約60%である。
この問題で問われていること
世帯構造の分類と、それぞれのおおよその割合を把握しているか。
しくみから理解する
国民生活基礎調査では世帯構造を、単独世帯、核家族世帯(夫婦のみ/夫婦と未婚の子のみ/ひとり親と未婚の子のみ)、三世代世帯、その他の世帯に分類する。核家族世帯は全体の約6割を占めて最も多く、次いで単独世帯が約3割である。三世代世帯は減り続けて数%にとどまる。世帯数は人口が減少しているにもかかわらず増加しており、これは単独世帯や夫婦のみ世帯が増えて1世帯あたりの人員が減っているためである。
選択肢ごとの確認
選択肢 1低すぎる。核家族世帯は最も多い世帯構造であり、4割では単独世帯と大差がなくなってしまう。
選択肢 2近いが不足。約6割が正しく、半数では核家族世帯の優位が過小になる。
選択肢 4高すぎる。単独世帯が約3割を占めるため、核家族が7割では合計が合わない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『核家族世帯』の定義に単独世帯が含まれないことを見落としやすい。単身者は核家族ではなく単独世帯である。また『高齢者世帯』は年齢による別の切り口で、世帯構造の分類とは軸が違う。65歳以上の者のいる世帯における『夫婦のみ』『単独』の割合と混同しないこと。
理解を深める
世帯構造の変化は、在宅療養や介護の前提を変える。三世代世帯の減少と単独世帯・高齢者夫婦のみ世帯の増加は、家族による介護力の低下を意味し、訪問看護・訪問介護など公的サービスの必要性を高める。地域包括ケアシステムが構想された背景にはこの世帯構造の変化がある。国民生活基礎調査は厚生労働省が3年ごとに大規模調査、間の年に簡易調査を実施している。
間違えやすい考え方
割合を10%刻みで問う形なので、『最も多いのはどれか』という順位の知識だけでは足りず、水準を覚えている必要がある。『核家族6割・単独3割』の2つをセットで持つ。
5分で振り返る
①核家族世帯=約60%で最多。②単独世帯=約30%。③三世代世帯は数%まで減少。④世帯数は増加、1世帯あたり人員は減少。⑤調査は厚生労働省の国民生活基礎調査。
1分チェック
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