土壌中に分布し感染を引き起こすのはどれか。
公式正答:3
解説
土壌に分布し、そこから感染を起こす代表的な細菌を選ぶ。破傷風菌 Clostridium tetani は土壌中に芽胞の形で広く存在し、創傷から侵入して発症する。
この問題で問われていること
病原体ごとの『どこにいて、どう入ってくるか』を対応づけられるか。感染源(リザーバー)と感染経路をセットで覚えているかが問われる。
しくみから理解する
破傷風菌は偏性嫌気性の芽胞形成菌で、芽胞は乾燥・熱・消毒薬に強く、土壌中で長期間生存する。釘やとげによる創傷など、酸素が届きにくい深い傷(嫌気的環境)で発芽・増殖し、テタノスパスミンという神経毒素を産生する。この毒素が抑制性の介在ニューロンの伝達を遮断するため、筋が持続的に収縮し、開口障害(牙関緊急)、痙笑、後弓反張といった特徴的な症状を生じる。
選択肢ごとの確認
ヒトが感染源で、経路は空気感染(飛沫核感染)。土壌ではなく感染者の咳などから広がる。
感染源は汚染された水や食品で、経路は経口感染。淡水・汽水域の水系に関連し、土壌ではない。
鶏肉などの食品や動物の腸管が感染源で、経路は経口感染。細菌性食中毒の代表であり土壌由来ではない。
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混同しやすいポイント
『芽胞をつくる=土壌にいる』という連想は破傷風菌・ボツリヌス菌・ガス壊疽菌(ウェルシュ菌)に当てはまるが、同じ芽胞形成菌でもボツリヌスは食品(はちみつ、瓶詰)経由が問われやすい。乳児ボツリヌス症とはちみつの組合せは別問題として頻出。
理解を深める
破傷風は予防接種で防げる疾患であり、日本では四種混合ワクチン(DPT-IPV)に破傷風トキソイドが含まれる。創傷時には受傷後の予防として、ワクチン接種歴に応じてトキソイドの追加接種や抗破傷風ヒト免疫グロブリンを用いる。高齢者は定期接種が始まる前の世代で抗体を持たないことがあり、農作業やがれき処理での受傷が問題になる。災害看護でも押さえるべき論点である。
間違えやすい考え方
『土壌』という語に対応する菌を1つ知っていれば即答できるが、知らないと4肢とも有名な菌なので当てられない。感染源と経路の対応表を作っていないと落とす型。
5分で振り返る
①破傷風菌は土壌の芽胞、創傷から侵入。②毒素テタノスパスミンで開口障害・後弓反張。③結核菌は空気感染。④コレラ菌は水・食品の経口感染。⑤カンピロバクターは鶏肉など食品の経口感染。
1分チェック
- 土壌から創傷を通じて感染する芽胞形成菌は何か。→ 破傷風菌。
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