横隔膜について正しいのはどれか。
正答:2
正答:2
横隔膜の基本(呼吸での働き・神経支配・起始停止・3つの裂孔と通過構造)を総合的に問う頻出問題。吸気筋であること、頸神経叢由来の横隔神経で支配されること、腱中心は停止であること、迷走神経が食道裂孔を通ることを押さえる。
横隔膜は呼気筋か吸気筋か、どの神経に支配されるか、腱中心は起始か停止か、迷走神経はどの裂孔を通るか——という4点の正誤を判定させる。
横隔膜はお椀を伏せたようなドーム状の筋で、収縮するとドームの天井(腱中心)が下がって胸腔が広がり、肺のスペースが広がる=吸気に働く。支配神経は頸神経叢から出る横隔神経で、主にC4を中心に下行して横隔膜に達する。横隔膜の停止はお椀の底にあたる腱中心で、骨に停止を持たず腱になっている。横隔膜には3つの穴があり、食道裂孔・大動脈裂孔・大静脈孔である。迷走神経は食道とともに食道裂孔を通る。
『腱中心=起始』と誤りやすいが、腱中心はドーム頂部=停止である。また迷走神経の通る穴を『大動脈裂孔』と取り違えやすいが、迷走神経は食道と一緒に食道裂孔を通る。
横隔膜の3裂孔は高さと通過構造で整理する。食道裂孔(食道+迷走神経・前後の迷走神経幹)、大動脈裂孔(下行大動脈+胸管=リンパ管)、大静脈孔(下大静脈)。『裂孔』は筋線維の割れ目状の通り道で食道裂孔のように収縮で締まる作用を持つのに対し、大静脈孔は静脈圧が低いため血流を妨げないスッキリした孔になっている、と講義で対比されている。横隔神経がC4中心の頸神経由来であることから、頸髄高位(C3〜C5)の損傷で呼吸が止まりうる点も臨床上重要。
横隔膜=呼吸の筋という連想から『呼気筋』としてしまうひっかけ(正しくは吸気筋)と、『迷走神経=大動脈裂孔』という裂孔の取り違えが定番。起始(辺縁)と停止(中央の腱中心)の逆転も狙われる。
横隔膜を上から見た図に腱中心(中央の腱)と3つの裂孔を書き込み、食道裂孔=食道+迷走神経、大動脈裂孔=大動脈+胸管、大静脈孔=下大静脈を当てはめる。起始(肋骨下縁・腰椎・胸骨)と停止(腱中心)、横隔神経C4支配、収縮で下がり吸気に働くことをセットで復習する。