上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。
正答:4
正答:4
腕橈骨筋は肘関節の屈曲に働く。正答は4。
筋の停止部と関節をまたぐ位置から、作用の方向を導けるか。
筋の作用は、その筋が関節のどちら側を通って、どこに停止するかで決まる。腕橈骨筋は上腕骨外側縁の下部から起こり、肘関節の前を通って橈骨の茎状突起に停止するので、肘関節を屈曲させる。橈骨神経に支配されるが、走る位置が屈曲側なので作用は屈曲になる。誤肢は3つとも作用がずれている。大円筋は肩甲骨下角から上腕骨小結節稜に停止し、肩関節の内転・内旋・伸展に働く。長掌筋は前腕前面を下り手掌腱膜に停止するので、手関節(橈骨手根関節)を屈曲させる。浅指屈筋は中節骨に停止するので近位指節間関節を曲げ、遠位指節間関節のほうを曲げるのは末節骨に停止する深指屈筋である。
腕橈骨筋は橈骨神経支配のため「伸筋群だから伸展」と早合点しやすい。支配神経と作用は別物で、作用を決めるのは関節をまたぐ位置。浅指屈筋と深指屈筋は、浅いほうが手前(中節骨)で止まり、深いほうが先(末節骨)まで届くと覚えると停止と作用が決まる。
腕橈骨筋は肘関節の屈曲に働くが、前腕の回内位からは回外方向へ、回外位からは回内方向へ、いずれも中間位へ戻す作用ももつ。前腕屈筋群は表層から順に、円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋と並び、これを人差し指から小指の4本になぞらえて覚える方法がある。この4筋はいずれも上腕骨内側上顆から起こり、尺側手根屈筋だけが尺骨神経、他は正中神経の支配である。
筋と作用の組合せを4つ並べ、拮抗する作用や隣の関節にずらす。解法は、(1) 各筋の停止部を思い出す、(2) その筋が関節のどちら側を通るかを決める、(3) 作用の方向を導いて照合する。
腕橈骨筋は肘関節の前を通って橈骨茎状突起に停止するので、作用は肘関節の屈曲。大円筋は内転・内旋・伸展、長掌筋は手関節の屈曲、浅指屈筋は近位指節間関節の屈曲で、いずれも組合せが誤り。作用は支配神経ではなく停止部と通る位置で決まる。