体温について正しいのはどれか。
正答:4
正答:4
体温は産熱と放熱のバランスで一定に保たれ、その司令塔が視床下部の体温調節中枢である。皮膚・深部からの温度情報が視索前野・前視床下部に集まり、自律神経(皮膚血管・汗腺・立毛筋)・内分泌(副腎髄質・甲状腺)・体性神経(骨格筋のふるえ)を介して産熱と放熱を調整する。
体温調節中枢の場所(延髄か視床下部か)、細菌感染と産熱の方向、発熱とセットポイントの向き、深部温の受容機序、の4点を正しく区別できるかを問う。
体内の深部温(核心温度)の変化は、視索前野・前視床下部に存在する温度感受性ニューロン(thermosensitive neuron)によって感受される。深部温の上昇に伴って発火頻度が増す温ニューロンと、低下に伴って活性化する冷ニューロン(少数派)があり、これらが体温調節中枢で情報を統合する。したがって「核心温度の変化→温度感受性ニューロンが感受」は正確な記述。
『体温調節中枢=延髄』という位置の誤りが最頻出。延髄は呼吸中枢・循環中枢(血圧・心拍)で、体温調節中枢ではない。正しくは視床下部の視索前野・前視床下部。出題では『視床下部のどの部位か』まで問われることがある。
暑熱時(外気温上昇):①皮膚の温受容器→体温調節中枢、②交感神経性血管収縮線維の活動低下→皮膚血管拡張(放熱亢進)、③汗腺支配の交感神経(コリン作動性)亢進→発汗(蒸発散熱)、④下垂体後葉からバソプレシン分泌増加(水分喪失の補正)、⑤TRH-TSH系↓→甲状腺ホルモン低下(産熱抑制)。寒冷時(外気温低下):①冷受容器→体温調節中枢、②交感神経亢進→皮膚血管収縮(放熱抑制)・立毛、③副腎髄質への交感神経亢進→アドレナリン分泌増加(非ふるえ産熱)、④TRH-TSH系↑→甲状腺ホルモン増加(産熱亢進)、⑤体性運動神経亢進→骨格筋のふるえ(産熱)。
延髄は呼吸・循環中枢として頻出のため、『脳幹の重要中枢』のイメージで体温調節も延髄に帰属させようとする誘導。まず『体温調節中枢=視索前野・前視床下部』を固定すると選択肢1を即排除できる。
「体温調節中枢はどこにあるか?」→視床下部の視索前野・前視床下部(延髄ではない)。「どうやって深部温の変化を知るか?」→同部位の温度感受性ニューロンが感受。深部温が上がると温ニューロンの発火頻度が増し、下がると冷ニューロンが活性化する。「外気温上昇時はどう対応するか?」→皮膚血管拡張で放熱を増やし、発汗(コリン作動性交感神経)で蒸発散熱を高め、甲状腺ホルモンを下げて産熱を抑える。「外気温低下時は?」→皮膚血管収縮で放熱を防ぎ、ふるえ・副腎髄質アドレナリン・甲状腺ホルモン増加で産熱を高める。