筋収縮の過程においてエネルギーを必要とするのはどれか。
正答:4
正答:4
太いフィラメントの頭が動いて細いほうを手繰り寄せる、その動きにエネルギーが要る。正答は4。
収縮の一連の流れの中で、どの場面でエネルギーの通貨となる物質が消費されるかを言えるか。
収縮は、膜を伝わる電気の変化、袋からのカルシウムの放出、頭が細いフィラメントをつかむこと、頭が向きを変えて手繰り寄せること、という順で進む。このうち電気の変化は、イオンが濃度の高い側から低い側へ移ることで起こるので、その瞬間にはエネルギーを使わない。袋からのカルシウムの放出も、袋の中の濃度が高いために出ていく動きで、これも使わない。頭がつかむ動作自体も結合するだけなので使わない。エネルギーが要るのは、つかんだあとに頭が向きを変えて手繰り寄せる動きと、そのあと頭が離れるときである。したがって記述4が正しい。なお、電気の変化のあとにイオンを元の配置へ戻すこと、カルシウムを袋へ汲み戻すことにはエネルギーが要るが、それは放出や発生そのものではなく後始末にあたる。
「放出」「発生」「結合」という言葉は能動的に見えるが、濃度の差や結合そのものは自然に起こる。エネルギーが要るのは、濃度の差に逆らって運ぶときと、形を変えて力を出すときである。この基準で4つを見分ける。汲み戻しにエネルギーが要るという事実と、放出には要らないという事実を混同しない。
筋がゆるむにはカルシウムを袋へ汲み戻す必要があり、これにエネルギーが要る。したがって供給が絶たれると頭が離れられなくなり、体が硬くなる。運動を続けるとエネルギーの供給が追いつかなくなり、力が出にくくなる。供給の仕組みは、短時間で強い力を出すときと、長く続けるときで使う経路が変わる。
収縮の過程を4つ並べ、能動的に見える言葉を混ぜる。解法は、(1) 各場面で何が動いているかを確認、(2) 濃度の差に従うだけの動きを除く、(3) 形を変えて力を出す場面を選ぶ。
エネルギーが要るのはミオシン頭部の運動。活動電位の発生もカルシウムの放出も濃度の差に従う動きで、頭がつかむこと自体も要らない。逆らって運ぶときと力を出すときに使う、という基準で見分ける。