近くの物体を見るときに起こるのはどれか。
正答:3
正答:3
近くを見るときは水晶体が厚くなって、光をより強く曲げる。正答は3。
近くを見るときに起こる3つの変化を、筋の動きから導けるか。
遠くを見ているときは、水晶体を取り囲む輪状の筋がゆるんでいて、周りから引く力が水晶体を薄く保っている。近くを見るときはこの筋が縮み、輪が小さくなって引く力が弱まるので、水晶体は自分の弾力で厚くなる。厚くなれば光をより強く曲げられるので、近くのものが網膜に像を結ぶ。したがって記述3が正しい。近くを見るときには同時に、両眼が内側へ寄ること、瞳が小さくなることも起こり、この3つをまとめて近くを見るときの反応という。誤肢は3つとも向きが違う。筋はゆるむのではなく縮む。瞳は開くのではなく縮む。両眼が同じ方向へそろって動く現象は、近くを見るときの内側への寄せとは別のもので、脳の障害などでみられる。
筋が縮むのに水晶体は厚くなる、という関係が直感に反する。筋は水晶体を直接引っぱるのではなく、水晶体を周りから吊っている糸の張りを調節している。筋が縮むと輪が小さくなり、糸がゆるんで水晶体が丸くなる、という順で考えると納得できる。年齢とともに水晶体の弾力が落ちると、糸がゆるんでも厚くなれず、近くが見づらくなる。
水晶体を厚くする働きも、瞳を小さくする働きも、動眼神経の副交感成分が担う。この線維は毛様体神経節で乗り換えて、毛様体筋と瞳孔括約筋へ向かう。加齢で水晶体の弾力が落ちて近くが見づらくなるのが老視で、水晶体が濁って全体がかすむのが白内障である。房水の循環が滞って眼圧が上がると緑内障の原因になる。
近くを見るときの変化を問い、遠くを見るときの変化と別の現象を混ぜる。解法は、(1) 筋が縮むか緩むかを決める、(2) その結果として水晶体がどうなるかを追う、(3) 瞳と両眼の動きを合わせて確認する。
近くを見るときは水晶体の厚みが増す。毛様体筋はゆるむのではなく縮み、瞳は散大ではなく縮小し、共同偏視は別の現象。筋が縮む→糸がゆるむ→水晶体が丸くなる、の順で考える。