変形性関節症の単純エックス線所見で正しいのはどれか。
正答:2
正答:2
変形性関節症(OA)は、関節軟骨の退行変性と機械的刺激により、関節の摩耗と増殖性(骨をつくる方向)の変化が起こる疾患である。エックス線では、軟骨がすり減って関節裂隙が狭くなり、荷重がかかる軟骨下骨が硬くなり、辺縁に骨棘(こつきょく)という骨のとげができる。この『すり減り+増殖』のセットを画像で読めるかが問われている。
変形性関節症の単純エックス線で実際にみられる所見はどれか、という単純な知識問題。選択肢には『裂隙の拡大』『骨萎縮』『骨壊死』など、OAとは逆向きまたは別疾患の所見が混ぜてある。
教科書(変形性関節症の【診断】)は、エックス線所見として『関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化像、骨嚢胞の出現、骨頭の変形、骨棘の形成』を挙げる。軟骨が摩耗するため裂隙は『狭く』なり(拡大ではない)、荷重部の軟骨下骨は『硬化』する(萎縮ではない)。骨は壊れるより増える方向(骨棘・硬化)に動くため、骨壊死像は本症の典型ではない。
『関節裂隙』は狭くなるのか広がるのか、『軟骨下骨』は硬くなるのか萎縮するのかが混乱しやすい。OAは“増殖性(つくる方向)”が基本イメージ=裂隙は狭小化・軟骨下骨は硬化・辺縁に骨棘。逆向きの語(拡大・萎縮)が来たら疑う。
教科書は変形性膝関節症の【診断】でも『関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化像と骨萎縮像の混在、骨嚢胞の出現、骨棘の形成、関節内遊離体(関節ねずみ)、半月板の石灰化』を挙げる。変形性股関節症でも同様に裂隙狭小化・軟骨下骨硬化・骨棘形成が出る。つまり『裂隙狭小+軟骨下骨硬化+骨棘』はOA共通の三徴として押さえるとよい。
正しい所見(骨棘)に、向きを逆にした“ひっかけ語”(裂隙の拡大=本来は狭小化、軟骨下骨の萎縮=本来は硬化)を並べる典型パターン。語尾の一語(拡大/萎縮/壊死)を変えて誤答を作っている。
変形性関節症の【診断】を読み直す。エックス線所見=関節裂隙の狭小化/軟骨下骨の硬化像/骨嚢胞/骨頭の変形/骨棘の形成。膝OA・股OAでも同じ三徴(裂隙狭小・軟骨下骨硬化・骨棘)が並ぶことを、図で『すり減り+骨の増殖』としてイメージで固定する。