くる病の治療で適切でないのはどれか。
正答:4
正答:4
くる病は、骨基質の石灰化が障害されて石灰化不十分な類骨が増加した病態で、骨端線(成長軟骨)閉鎖前の小児に起こるもの。同じ病態が骨端線閉鎖後の成人に起これば骨軟化症という。原因はビタミンDの欠乏・活性化障害であり、治療はビタミンDを補い石灰化を正常化する方向に向ける。
くる病の標準的治療として『適切でない』選択肢を1つ選ぶ問題。治療の3本柱(食事=ビタミンD補充、薬物=活性型ビタミンD、日光浴)に含まれないものを見抜く。
ビタミンD前駆体のプロビタミンDが紫外線(日光)照射を受けてプレビタミンDになり、異性化を経てビタミンDになる。ビタミンDの生理作用はカルシウムとリンの代謝の保持(小腸でのCa・Pの吸収促進、血中Ca濃度調節、骨組織へのリン酸カルシウム沈着)であり、これが不足すると石灰化が障害される。したがって治療はビタミンD所要量の確保(食事療法・1日400IU)、活性ビタミンD(アルファカルシドール)の投与、日光浴によるビタミンD前駆体の活性化が柱となる。
くる病・骨軟化症の治療の柱はビタミンDの補充である点を押さえる。ステロイド(副腎皮質ホルモン)はむしろ長期使用で骨代謝に不利益を及ぼす方向の薬であり、ビタミンD欠乏に対する治療とは方向が逆である(教科書の治療項目に含まれない=適切でない)。
くる病はビタミンD欠乏(摂取低下・日光暴露減少による活性化障害・吸収障害・肝腎疾患による活性化障害など)が成因。骨の形成は骨芽細胞が類骨をつくり、そこに石灰化が生じて骨となるが、後半の石灰化段階に障害があると類骨が過剰となり、骨端線閉鎖前ではO脚・X脚などの変形やアヒル様歩行を生じる。治療は欠乏したビタミンDを補い、Ca・P代謝を是正することで石灰化を進める。なお活性型ビタミンDの過剰投与は高Ca血症(口渇・多飲・多尿・便秘など)を招くため注意が必要。
『治療で正しいもの』ではなく『適切でないもの』を選ぶ否定形の設問。3つの正しい治療(ビタミンD・運動・日光浴)に紛れて、ビタミンD欠乏とは方向の異なる副腎皮質ホルモンが1つだけ混ざっている。否定形を読み飛ばすと誤答する典型。
くる病と骨軟化症は『同じ石灰化障害が、骨端線閉鎖前(小児)か閉鎖後(成人)か』で呼び分ける。原因はビタミンD欠乏で、日光(紫外線)でプロビタミンDが活性化されること、活性ビタミンD(アルファカルシドール)が薬物療法の中心であることを結びつけて覚える。治療=ビタミンD補充・日光浴・食事の流れに、副腎皮質ホルモンは入らない。