陽経の気血を調節するのはどれか。
正答:1
正答:1
奇経八脈のうち、督脈・任脈・衝脈・帯脈の4脈がそれぞれ何を束ね、どの範囲の気血を調節するかを区別させる問題。陽経の気血を調節するのは、後正中線を上行して手足の陽経と交会し「陽脈の海」と呼ばれる督脈。
督脈=陽脈の海、任脈=陰脈の海、衝脈=十二経の海、帯脈=諸経を横から束ねる、という4脈の役割を、走行と結びつけて区別できるか。督脈と任脈の陰陽を入れ替えていないかが核心。
奇経は正経十二経脈を流れる気血が満ちあふれたときに流れ込む側溝や湖のような存在で、臓腑を絡わず、奇経同士で表裏にならない。その中で督脈は胞中に起こり、会陰から後正中線上を上行して脳に入り、頭頂・顔面正中を下って上唇小帯に至る。背側は陽で、大椎では手足の三陽経すべてと交会するため、督脈は陽経の気血を統括・調節し、「陽脈の海」と呼ばれる。任脈は同じく胞中に起こるが前正中線を上行し、陰経の気血を統括する「陰脈の海」。衝脈は脊柱の深部をめぐって前では陰経諸脈、後ろでは陽経諸脈と交わり「十二経の海」。帯脈は帯を締めるように腰腹部を一まわりし、縦に走る諸経を横から束ねる。したがって陽経の気血を調節するのは督脈である。
督脈と任脈の陰陽の取り違えが最多。背側=陽・腹側=陰の部位配当から、後正中の督脈が陽脈の海、前正中の任脈が陰脈の海と導く。衝脈は任脈と同じ胞中から起こり腹部を上行するため任脈と混同しやすいが、衝脈は十二経の海で、陰脈の海ではない。帯脈は走行が横向きである点だけが他と違う。
督脈・任脈・衝脈はいずれも胞中(小骨盤腔)から起こる「一源三岐」の関係にあり、督脈は後ろへ、任脈は前へ、衝脈は深部から腹部へ分かれて上行する。督脈は脳に入り、手足三陽経と大椎で交会するため陽経の統括と脳の機能に関わる。督脈と任脈だけは固有の経穴を持ち、十四経脈として数えられる。八脈交会穴では督脈に後渓、任脈に列欠、衝脈に公孫、帯脈に足臨泣が応じる。
「陰経/陽経」のどちらを問うかで督脈と任脈が入れ替わる。設問の1字を読み落とすと逆を選ぶ。また「海」という語に引かれて衝脈(十二経の海)を選ばせる構造もある。解法は、(1) 問われているのが陰経か陽経かを確定、(2) 陽なら背側の督脈、陰なら腹側の任脈、(3) 衝脈は全体、帯脈は横、と消去する。
奇経八脈は正経の気血があふれたときの受け皿で、臓腑を絡わず表裏をつくらない。督脈・任脈・衝脈は胞中から起こる。督脈は後正中線を上行して脳に入り、手足三陽経と大椎で交わるので陽経の気血を調節する「陽脈の海」。任脈は前正中線を上行する「陰脈の海」。衝脈は前後の諸経と交わる「十二経の海」。帯脈は腰腹部を横に一周して縦走する経を束ねる。設問が陽経か陰経かを読み、陽なら督脈、陰なら任脈。