次の文で示す患者の病因で最も適切なのはどれか。「28歳の女性。年末年始に接客が多忙だった。その後、徐々に気力がなくなり、疲れやすく、接客がつらい。」
正答:3
正答:3
年末年始の多忙という過度の労働の後に気力低下と易疲労が現れたのは労倦(過労)。正答は3。
病因を外因(六淫)・内因(七情)・不内外因(飲食不節・労倦・房事過多・外傷など)に分類し、症例の経過から労倦を選べるか。
労倦とは疲れのこと。からだを使いすぎた疲れを過労、頭や心を使いすぎた疲れを心労と呼び分ける。働きすぎ・動きすぎが重なれば気をはじめとする生理物質が削られ、休息が追いつかないまま続くと、だるさ・力の入らなさ・気力の低下・すぐ疲れる・やせるといった症状が現れる。本例は「年末年始に接客が多忙」という過度の労働があり、「その後、徐々に気力がなくなり、疲れやすく」と気の消耗を示す症状が続いている。思は七情(内因)で思い悩む感情、寒邪は外因の六淫で冬に多いが本例に悪寒や冷えの記載はなく、飲食不節は食事や水分の摂り方が乱れることで、いずれも本例の経過を説明しない。
「接客がつらい」という記述から精神的ストレス=七情(思・憂)を選びたくなるが、症例が示すのは多忙による疲労とその後の気力低下で、感情の偏りではない。労倦には肉体的な過労と精神的な心労の両方が含まれる点も押さえる。季節(年末年始=冬)から寒邪へ流れないよう、寒の症状の有無で判断する。
病因は外因(六淫・疫癘)、内因(七情)、不内外因(飲食不節、労倦=労逸の失調、房事過多、外傷、虫獣傷、痰飲・瘀血などの病理産物)に分ける。労逸の失調には過労だけでなく安逸(動かなさすぎ)も含まれ、安逸は気血の運行を滞らせて肥満・倦怠を招く。労倦による気虚の治療は補気で足三里・気海・脾兪・関元など。
季節(冬)で寒邪へ、心理的負担の語で七情へ誘導する。解法は、(1) 症例の主たる出来事=多忙な労働、(2) その後の症状=気の消耗、(3) 労倦。
病因は外因(六淫)・内因(七情)・不内外因(飲食不節・労倦・房事過多など)に分ける。年末年始の多忙という過度の労働の後、気力の低下と易疲労が続く本例は労倦。労倦は肉体的な過労と精神的な心労を含み、気を消耗して倦怠感・無力感・消痩を起こす。思は七情、寒邪は六淫、飲食不節は食事の乱れで、いずれも本例の経過に合わない。