経脈病証で難聴が起こるのはどれか。
正答:2
正答:2
経脈病証で耳鳴り・難聴が出るのは手の太陽小腸経と手の少陽三焦経の2つ。選択肢に三焦経が無いので手の太陽経が正答。正答は2。
耳の症状を出す経を2つに絞り、選択肢の構成に応じて答えを選べるか。同じ論点でも選択肢次第で答えが変わることを理解しているか。
手の太陽小腸経は小指から上肢後面の尺側を上り、肩甲部をめぐって頸に至り、頬を経て耳の前(聴宮)で終わる。耳に直接至るので、病証に難聴、頸や頷の腫れて振り返れない、肩や上腕の激しい痛みが含まれる。手の少陽三焦経も耳の後ろから耳中に入り耳の前に出るので耳鳴り・難聴を出し、両者は発汗の有無で区別する(発汗があれば三焦経)。本問の選択肢には三焦経が無いため、耳の症状を出すのは手の太陽小腸経のみ。足の少陰腎経は腎虚として耳鳴り・難聴と関わるが、経脈病証の分布は顔の黒ずみ・咳喘・腰痛・下肢内後側で、経脈病証としての難聴は挙げない。足の厥陰肝経は腰痛俯仰不能・少腹腫・嗌乾、手の陽明大腸経は歯痛・鼻出血・喉の腫れが病証。
腎は耳に開竅するので「難聴=腎」と反射的に答えたくなるが、設問は経脈病証を問うている。臓腑病証としての腎虚の耳鳴りと、経脈病証としての小腸経・三焦経の難聴を分ける。第29回問102は同じ論点で三焦経が正答になっており、選択肢の構成で答えが変わる。
耳をめぐる経は小腸経(頬→耳前・聴宮)、三焦経(耳後→耳中→耳前・耳門)、胆経(耳の前後・聴会)で、いずれも耳の症状を出す。区別は、小腸経=頸や頷の腫れ・肩甲部痛、三焦経=発汗・目尻の痛み、胆経=口苦・ため息・側頭部痛。臓腑では腎虚(細く持続する耳鳴り)と肝火(急に起こる大きい耳鳴り)で分ける。
腎=耳という開竅の知識で足の少陰経へ誘導する。解法は、(1) 設問が経脈病証か臓腑病証かを確認、(2) 経脈病証で耳を出すのは小腸経と三焦経、(3) 選択肢にある方を選ぶ。
経脈病証で耳鳴り・難聴が出るのは手の太陽小腸経と手の少陽三焦経の2つだけで、発汗があれば三焦経と区別する。本問は選択肢に三焦経が無いので手の太陽経が正答。腎は耳に開竅するが、それは臓腑病証(腎虚の耳鳴り)の話で、腎経の経脈病証の列挙には難聴は入らない。同じ論点でも選択肢の構成で答えが変わる。