次の文で示す患者の病証で最もみられる脈状はどれか。「43歳の男性。主訴は便秘。1週間前に風邪を引き、その後、口渇が強くなり発汗も多くなった。午後3時から5時くらいまで体温が高くなる。」
正答:3
正答:3
外感の後、便秘・強い口渇・多汗・午後3〜5時の発熱(日晡潮熱)がそろうのは陽明病(裏実熱証)。裏実熱の脈は勢いが強く幅の大きい洪脈。正答は3。
症例から陽明病を同定し、裏実熱に対応する脈状を選べるか。日晡潮熱という時間帯の手がかりを読めるか。
太陽病(表証)で始まった外感が裏へ入り、胃腸に熱が結んだ段階が陽明病で、裏実熱証。熱が津液を損なって便が乾き秘結し、強い口渇と大量の発汗(大汗)が出る。午後3時から5時(申の刻=日晡)に体温が上がるのは日晡潮熱と呼ばれ、陽明病の特徴的な発熱パターン。邪も正気も盛んで激しく争う段階なので、脈は浮位で触れて幅が大きく、来るときに勢いよく去るときに衰える洪脈となる。濡脈は湿証・虚証、弦脈は肝胆の病・痛証・痰飲、緩脈は湿証・脾虚でみられ、いずれも裏実熱の像ではない。
「風邪を引いた後」で少陽病(弦脈)へ流れやすい。少陽病は往来寒熱・口苦・胸脇苦満で、便秘と大汗・強い口渇は出ない。時間帯の指定(午後3〜5時)は日晡潮熱で陽明病の目印。潮熱には陽明潮熱(日晡)、湿温潮熱、陰虚潮熱があり、陰虚潮熱は午後から夜で脈は細数になる点も区別する。
陽明病の主症候は壮熱・大汗・大渇・脈洪大(陽明経証の四大)と、腹満・便秘・潮熱・譫語(陽明腑実証)。治療は清熱(白虎湯類)または攻下(承気湯類)。脈状の対応:洪脈=熱盛、数脈=熱、細数=陰虚内熱、弦脈=肝胆・痛・痰飲、滑脈=痰飲・食滞・実熱、濡脈=湿・虚、緩脈=湿・脾虚、渋脈=血瘀・血虚。
外感からの経過で少陽病(弦脈)へ、便秘だけを見て虚秘(細脈)へ誘導する。解法は、(1) 便秘+大渇+多汗+日晡潮熱=陽明病、(2) 裏実熱の脈=洪脈、(3) 濡・緩は湿虚、弦は肝胆で消す。
外感が裏へ入り胃腸に熱が結んだ陽明病は裏実熱証で、便秘・強い口渇・大汗・午後3〜5時の潮熱(日晡潮熱)が特徴。邪正の争いが激しいので脈は幅が大きく勢いのある洪脈になる。濡脈は湿・虚、弦脈は肝胆や少陽病、緩脈は湿・脾虚で、いずれも裏実熱には合わない。時間帯の記載は陽明病の目印として読む。