マン・ウェルニッケ肢位にある片麻痺患者に対して、上肢の痙性の改善を目的に相反性Ⅰa抑制を応用した低周波鍼通電療法を行う場合、適切な治療穴の組合せはどれか。
正答:1
正答:1
マン・ウェルニッケ肢位では上肢が屈曲位。屈筋の痙性をゆるめるには、拮抗する伸筋を収縮させて相反性Ⅰa抑制をかける。上腕三頭筋上の消濼と総指伸筋上の外関の組が伸筋側。正答は1。
相反性Ⅰa抑制が「収縮させた筋の拮抗筋がゆるむ」仕組みだと理解し、ゆるめたい筋ではなくその拮抗筋の上に穴を取れるか。
相反性Ⅰa抑制は、ある筋が収縮するとき、その筋紡錘からのⅠa線維が脊髄で拮抗筋側の運動ニューロンを、介在ニューロン経由で抑える仕組み。したがって「ゆるめたい筋」ではなく「その拮抗筋」を収縮させる。脳血管障害後の片麻痺では病巣と反対側が痙性麻痺になり、上肢は屈曲位、下肢は伸展位をとる。これがマン・ウェルニッケ肢位。上肢の屈曲位をゆるめたいなら、拮抗する伸筋群を通電で収縮させる。消濼は上腕後面、肘頭と肩峰角を結ぶ線上で肘頭の上方5寸にあり解剖は上腕三頭筋、外関は前腕後面で解剖は総指伸筋腱・小指伸筋腱。どちらも伸筋側なので、この2穴を結べば伸筋群が収縮し、屈筋群が抑制される。
「上肢の痙性を改善する」と読んで屈筋の上の穴(曲沢・内関)を選びやすい。相反性Ⅰa抑制を使うと指定されている以上、狙うのは拮抗筋である伸筋側。また下肢の穴が2組も置かれているが、この抑制は同分節の脊髄反射なので上肢へは届かない。
マン・ウェルニッケ肢位は、上肢が肩関節内転・内旋、肘関節屈曲、前腕回内、手関節と手指屈曲、下肢が股関節伸展・内転、膝関節伸展、足関節底屈・内反という姿勢。歩行では下肢を外側へ回す分回し歩行になる。低周波鍼通電で痙性を扱うときは、相反性Ⅰa抑制のほか、Ⅰb抑制(腱器官を介した自原抑制)や反復刺激による筋疲労も機序として挙げられる。
ゆるめたい筋の上にある穴を1組置き、同じ部位で完結させる。加えて別の肢の穴を並べて分節の考え方を試す。解法は、(1) 肢位からどの筋群が痙縮しているかを出す、(2) その拮抗筋を出す、(3) 拮抗筋の上にある2穴の組を選ぶ。
相反性Ⅰa抑制は、収縮させた筋の拮抗筋がゆるむ仕組み。マン・ウェルニッケ肢位では上肢が屈曲位なので、ゆるめるには拮抗する伸筋群を通電で収縮させる。消濼は上腕三頭筋、外関は総指伸筋・小指伸筋の上にあり、この組が伸筋側。曲沢・内関は屈筋側で狙いが逆、承筋・承山と豊隆・足三里は下肢の穴で上肢には及ばない。