次の文で示す症例に対する局所治療穴として最も適切なのはどれか。「38歳の女性。家事や子どもの世話が忙しく、最近になって手関節に痛みを感じるようになった。アイヒホッフテスト陽性。」
正答:3
正答:3
アイヒホッフテスト陽性はドケルバン病。傷むのは手背第1区画を通る長母指外転筋腱と短母指伸筋腱で、列欠はちょうどその2腱の間にある。正答は3。
誘発テストから病態と障害される腱を特定し、その腱の間に取る経穴を選べるか。
アイヒホッフテストは母指を握り込んで手関節を尺屈させ、手関節の橈側から母指の付け根に痛みが出れば陽性とするもので、ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)を示す。ドケルバン病は手背第1区画、すなわち長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が通る腱鞘の炎症で、母指を頻繁に使う家事や育児が誘因になる。列欠は前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分にあり、部位の定義そのものが罹患する2腱の間を指している。合谷は手背の第1・第2中手骨の間、陽池は手関節後面で総指伸筋腱の尺側、内関は前腕前面で罹患部位から離れる。
手関節の痛みというだけで陽池や合谷を選びやすい。決め手は「どの区画のどの腱か」。第1区画は長母指外転筋腱と短母指伸筋腱で、列欠の部位の定義がそのままこの2腱の間になっている。経穴の定義文が答えを含んでいる型。
手背の伸筋腱区画は6つ。第1区画=長母指外転筋腱・短母指伸筋腱(ドケルバン病)、第2=長橈側手根伸筋腱・短橈側手根伸筋腱、第3=長母指伸筋腱、第4=総指伸筋腱・示指伸筋腱、第5=小指伸筋腱、第6=尺側手根伸筋腱。ドケルバン病は妊娠・産後や育児期の女性、手を酷使する職業に多い。フィンケルシュタインテストも同じ病態をみる。
手関節まわりの経穴を4つ並べ、掌側・背側・橈側・尺側をばらけさせる。解法は、(1) 誘発テストから病名を出す、(2) 傷む腱を特定、(3) その腱の名前が部位の定義に入っている経穴を選ぶ。
アイヒホッフテスト陽性はドケルバン病で、手背第1区画の長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の腱鞘炎。列欠はこの2腱の間に取ると定義されているので、局所治療穴として一致する。内関は前腕前面、合谷は手背の第1・第2中手骨間、陽池は手関節後面の尺側寄りで、いずれも第1区画の上ではない。