次の文で示す症例に対する罹患筋への局所治療穴として適切なのはどれか。「17歳の男子。陸上部で長距離走をしている。ランニングを開始すると下腿前方に痛みと腫れが出るが、数十分の安静で症状が消失する。近医で前方コンパートメント症候群と言われた。」
正答:1
正答:1
前方コンパートメントに入るのは前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋。小腸の下合穴は下巨虚で、この前脛骨筋の上にある。正答は1。
下腿の4つのコンパートメントに属する筋を言え、六腑の下合穴がどの経穴かを対応させられるか。2つの知識をつなぐ設問。
下腿は筋膜で4つの区画に分かれる。前方コンパートメントには前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋、外側には長腓骨筋・短腓骨筋、浅後方には腓腹筋・ヒラメ筋・足底筋、深後方には後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋が入る。運動で区画内の圧が上がると疼痛・腫脹・硬結が出て、安静で軽快する労作性のものがある。罹患筋は前方コンパートメントの筋なので、その上にある穴を取る。六腑の下合穴は、胃=足三里、大腸=上巨虚、小腸=下巨虚、膀胱=委中、三焦=委陽、胆=陽陵泉。下巨虚は下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上で犢鼻の下方9寸にあり、解剖は前脛骨筋。前方の区画に属する筋の上に乗る。
下合穴の名前を経穴名に変換できないと手が出ない。特に小腸=下巨虚、大腸=上巨虚は名前と腑の対応が直感に反する(大腸が上、小腸が下)。また委中と委陽はどちらも膝後面で紛らわしい。区画の側は、前=伸筋群、外側=腓骨筋、後=屈筋群と大づかみに押さえる。
六腑の下合穴:胃=足三里、大腸=上巨虚、小腸=下巨虚、三焦=委陽、膀胱=委中、胆=陽陵泉。うち胃・大腸・小腸は胃経に、三焦・膀胱は膀胱経に、胆は胆経にあり、大腸と小腸の下合穴が胃経上にあるのが特徴。コンパートメント症候群は、外傷後の急性型では6P(疼痛・蒼白・脈拍消失・知覚異常・運動麻痺・腫脹)が問題になり緊急の減張切開が要る。労作性の慢性型は運動で誘発され安静で消える。
経穴名を出さず「〜の下合穴」と腑の名前で書き、変換を要求する。解法は、(1) 罹患部位から区画と筋を出す、(2) 各下合穴を経穴名に変換、(3) その経穴の解剖が標的筋かを確認。
前方コンパートメントには前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋が入る。六腑の下合穴のうち、下腿前面の前脛骨筋上にあるのは小腸の下合穴である下巨虚。膀胱の下合穴の委中と三焦の下合穴の委陽は膝の後面、胆の下合穴の陽陵泉は長腓骨筋で外側コンパートメント。下合穴を経穴名に変換できるかが分かれ目。