「26歳の女性。なで肩で痩せている。主訴は右上肢全体の持続的なだるさ。腱反射は正常、スパーリングテスト、エデンテスト、ライトテストは陰性、アドソンテストは陽性。」罹患筋への局所治療穴として適切なのはどれか。
正答:4
正答:4
罹患筋は斜角筋。天鼎は前頸部で胸鎖乳突筋の後縁にあり、解剖に前斜角筋と中斜角筋が挙がる。正答は4。
前問で決めた型(斜角筋症候群)の罹患筋の上にある経穴を選べるか。他の3穴はいずれも別の型に対応する。
胸郭出口症候群では、圧迫している構造の上に取穴する。斜角筋症候群なら斜角筋、肋鎖症候群なら鎖骨と第1肋骨の間、過外転(小胸筋)症候群なら小胸筋の下。天鼎は前頸部、輪状軟骨と同じ高さで胸鎖乳突筋の後縁にあり、解剖は広頸筋・胸鎖乳突筋・前斜角筋・中斜角筋。したがって斜角筋へ届く。屋翳は前胸部、第2肋間、前正中線の外方4寸で解剖は大胸筋と小胸筋なので小胸筋症候群向き。胸郷も前胸部、第3肋間、前正中線の外方6寸で解剖は大胸筋・小胸筋。気戸は前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方4寸で解剖に鎖骨下筋が挙がり、鎖骨と第1肋骨の間すなわち肋鎖間隙に近い。
3肢が前胸部の穴でそろっているので、部位が首にある天鼎が浮きやすいが、それは正しい浮き方。斜角筋は頸部の筋なので、前胸部の穴では届かない。前胸部の3穴も、鎖骨下縁(気戸)・第2肋間(屋翳)・第3肋間(胸郷)と高さで区別でき、それぞれ肋鎖・小胸筋の型に対応する。
胸郭出口の3つの狭窄部位と対応する経穴:斜角筋三角(前斜角筋・中斜角筋・第1肋骨に囲まれる)=天鼎・扶突・欠盆。肋鎖間隙(鎖骨と第1肋骨の間)=気戸・雲門。小胸筋の下(烏口突起への停止部)=屋翳・胸郷・中府。刺鍼では、欠盆や雲門は肺尖部に近いので気胸に注意が要る。
同じ症候群の別の型に対応する穴を並べる。解法は、(1) 前問で確定した型の罹患筋を出す、(2) 各経穴の解剖欄にその筋があるかを見る、(3) 一致する穴を選ぶ。
斜角筋症候群では斜角筋の上に取穴する。天鼎は前頸部、輪状軟骨と同じ高さで胸鎖乳突筋の後縁にあり、解剖に前斜角筋と中斜角筋が挙がるので局所治療穴になる。屋翳と胸郷は前胸部で解剖が大胸筋・小胸筋なので小胸筋症候群向き、気戸は鎖骨下縁で鎖骨下筋があり肋鎖症候群向き。