「32歳の女性。主訴は月経時の下腹部および腰の痛み。主訴の部位と手足の冷えを伴い、温めると改善する。月経血は暗紫色で血塊が混じる。婦人科では機能性月経困難症と診断された。」最もみられる脈状はどれか。
正答:3
正答:3
温めると改善する痛みと手足の冷え、経血は暗紫色で血塊。寒と瘀血がそろうので、脈は遅(寒)で濇(瘀血)。正答は3。
病証から脈状を予測できるか。脈は2文字の組で、それぞれの字がどの病機を示すかを分けて読む。
脈状は1字ずつ意味を持ち、組み合わせて読む。遅は一息に3回以下で寒証、濇(渋)はざらざらとして指先をこするように渋滞した触れ方で瘀血を示す。本例は、痛みが温めると改善し手足が冷えるので寒、経血が暗紫色で血塊が混じるので瘀血。両方がそろうので遅濇が最も合う。浮は表証、緊は実寒や痛証なので浮緊は表寒の組で、慢性に経過する月経痛とは違う。滑数は痰飲や食滞と熱を示し湿熱の組で、冷えとは逆。細無力は気血の不足を示す虚の脈で、血塊と暗紫色という実(瘀血)の所見と合わない。
脈状を2文字で問われたら、1字ずつ病機に分解して、症例の所見と1対1で当てはめる。本例は寒と瘀血の2つなので、寒を示す字と瘀血を示す字が両方入っている組を選ぶ。虚の脈(細無力)を選びたくなるのは、月経痛=虚という思い込みによる。
脈状の基本:浮=表証、沈=裏証、遅=寒、数=熱、虚・弱・細=虚、実・洪=実、滑=痰飲食滞、濇=瘀血血虚、弦=肝胆痛み痰飲、緊=寒痛、濡=湿虚、結=陰盛気結、代=臓気衰微、促=陽盛。組み合わせて読むので、沈遅は裏寒、浮数は表熱、弦数は肝火、細数は陰虚、滑数は湿熱。本例のように冷えと瘀血が併存すれば沈遅濇のいずれかが現れうる。
脈状を2文字の組で4つ並べ、寒熱・虚実の組合せを散らす。解法は、(1) 症例から病機を2つ以内に絞る、(2) 各脈状を1字ずつ病機に分解、(3) 症例の病機と過不足なく一致する組を選ぶ。
脈は1字ずつ病機に対応する。温めると改善する痛みと手足の冷えが寒、暗紫色で血塊が混じる経血が瘀血を示すので、脈は寒を示す遅と瘀血を示す濇の組。浮緊は表寒、滑数は湿熱で寒熱が逆、細無力は虚の脈で瘀血という実の所見と合わない。