「32歳の女性。主訴は月経時の下腹部および腰の痛み。主訴の部位と手足の冷えを伴い、温めると改善する。月経血は暗紫色で血塊が混じる。婦人科では機能性月経困難症と診断された。」デルマトームを考慮した治療を行う場合、最も適切な経穴はどれか。
正答:2
正答:2
子宮の脊髄分節はおよそ第10胸髄から第2腰髄。腎兪は第2腰椎棘突起下縁の高さにあり、この範囲に入る。正答は2。
内臓の脊髄分節と、経穴が位置する椎骨レベルを重ねられるか。東洋医学の弁証ではなく解剖学的な分節で選ばせる設問。
デルマトームを考慮した治療とは、標的の内臓と同じ脊髄分節に入る体表部位を刺激して、体性内臓反射を介して働きかける考え方。子宮体の交感神経支配はおよそ第10胸髄から第2腰髄で、書籍により幅に多少の差がある。したがって、この高さに位置する経穴を選ぶ。腎兪は腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さで後正中線の外方1寸5分にあり、第2腰髄の分節に対応する。膈兪は第7胸椎棘突起下縁の高さで分節はもっと上、足三里は下腿前面で第5腰髄あたり、三陰交は下腿内側で第4腰髄あたりと、いずれも子宮の分節から外れる。
三陰交は月経の症状に最もよく使われる穴なので反射的に選びたくなるが、設問は「デルマトームを考慮した治療」と条件を限定している。この条件下では常用穴かどうかではなく、分節が一致するかだけが判定基準になる。設問が方法を指定しているときは、その方法の論理だけで決める。
主な内臓の脊髄分節(交感神経):心臓=第1〜5胸髄、胃=第6〜9胸髄、肝胆=第7〜10胸髄、小腸=第9〜11胸髄、腎=第10胸髄〜第1腰髄、膀胱=第11胸髄〜第2腰髄、子宮=第10胸髄〜第2腰髄。背部兪穴は椎骨レベルで並ぶので分節と対応させやすい。第7胸椎=膈兪、第9=肝兪、第11=脾兪、第12=胃兪、第2腰椎=腎兪、第4腰椎=大腸兪。体性内臓反射を介した治療の根拠になる。
疾患の常用穴を混ぜて、指定された方法を無視させる。解法は、(1) 設問が指定する方法(デルマトーム)を確認、(2) 標的臓器の脊髄分節を出す、(3) 各経穴の椎骨・分節レベルを出す、(4) 一致するものを選ぶ。
デルマトームを考慮した治療では、標的の内臓と同じ脊髄分節の体表を刺激する。子宮の分節はおよそ第10胸髄から第2腰髄で、この高さにあるのは第2腰椎棘突起下縁の腎兪。膈兪は第7胸椎で上すぎ、足三里と三陰交は下腿で分節が違う。三陰交は婦人科の常用穴だが、方法が指定されている以上そちらでは選べない。