「62歳の女性。主訴は腰痛。立位で腰椎の前弯が強く、骨盤が前傾している。膝関節のアライメントの異常はみられなかった。」伸長し弱化している筋として最も適切なのはどれか。
正答:1
正答:1
骨盤が前傾し腰椎の前弯が強い姿勢では、股関節を伸展させる筋が引き伸ばされて弱る。選択肢で伸展にはたらくのは大殿筋だけ。正答は1。
骨盤の傾きから、どの筋が短縮しどの筋が伸長するかを運動学で導けるか。4肢の筋の作用を1つずつ出す必要がある。
骨盤が前傾すると、骨盤の前面につく股関節屈筋群は起始と停止が近づいて短縮し、後面につく股関節伸展筋群は引き離されて伸長する。伸長した状態が続けば筋力は落ちる。選択肢のうち、大腰筋は股関節の屈曲、大腿直筋は股関節の屈曲と膝関節の伸展、大腿筋膜張筋は股関節の屈曲・外転・内旋にはたらき、いずれも前面側で短縮する側。股関節を伸展させるのは大殿筋だけなので、伸長して弱化しているのは大殿筋。腰椎の前弯が強いのは、骨盤前傾に伴って腰椎が代償的に反った結果で、膝のアライメントに異常がないという記述は下腿以下の代償を除いている。
「弱化している筋」を「痛む筋」と読み替えると迷う。骨盤の傾きに対して、前面が短縮・後面が伸長という位置関係を先に決め、そのうえで各筋がどちらにつくかを見る。4肢のうち3つが屈曲にはたらくので、伸展にはたらく1つを見つければ終わる。
骨盤前傾(下位交差性症候群)では、短縮するのが腸腰筋・大腿直筋・脊柱起立筋(腰部)、弱化するのが大殿筋・腹筋群。逆に骨盤後傾ではハムストリングスと腹筋が短縮し、腸腰筋と脊柱起立筋が弱化する。治療は短縮筋のストレッチと弱化筋の賦活を組み合わせる。骨盤の傾きは腰椎前弯の増減と連動し、前傾が強ければ前弯が増強して椎間関節や棘突起間に負担がかかる。
股関節に作用する筋を4つ並べ、3つを同じ作用でそろえる。解法は、(1) 骨盤の傾きから前面と後面のどちらが伸長するかを決める、(2) 各筋の作用を出す、(3) 伸長する側の筋を選ぶ。
骨盤が前傾すると前面の股関節屈筋群が短縮し、後面の伸展筋が引き伸ばされて弱る。選択肢で股関節を伸展させるのは大殿筋だけ。大腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋はいずれも屈曲にはたらき短縮する側。膝のアライメントに異常がないという記述は下腿以下の代償を除くために置かれている。