「60歳の男性。主訴は足のむくみ。近医で乏尿ではないが、尿量が少ないと指摘された。残尿感はない。下痢しやすい。舌は胖嫩、歯痕、白厚膩苔、脈は滑を認める。」適切な治療穴はどれか。
正答:2
正答:2
治療すべき臓腑は脾。第1中足骨底内側の遠位陥凹部、赤白肉際は脾経の絡穴である公孫。正答は2。
部位の記述だけから経穴を同定し、前問で決めた臓腑の経に属するものを選べるか。経穴名を出さない形。
選択肢は経穴名を伏せて部位だけが書かれているので、まず4つを経穴に変換する。尺側手根屈筋腱の橈側縁で手関節掌側横紋の上方1寸は通里で、手の少陰心経の絡穴。第1中足骨底内側の遠位陥凹部、赤白肉際は公孫で、足の太陰脾経の絡穴かつ八脈交会穴。脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸は蠡溝で、足の厥陰肝経の絡穴。腓腹筋外側頭下縁とアキレス腱の間、崑崙の上方7寸は飛揚で、足の太陽膀胱経の絡穴。前問で治療すべき臓腑は脾と決まっているので、脾経の公孫を選ぶ。4つとも絡穴でそろえてあり、所属経だけが違う。
部位の記述から経穴名へ変換できないと手が出ない。特に公孫と太白は足内側で隣接し、太白は第1中足指節関節内側の近位陥凹部、公孫はそれより後方の第1中足骨底内側の遠位陥凹部。蠡溝と三陰交も下腿内側で紛らわしく、三陰交は内果尖の上方3寸、蠡溝は脛骨内側面の中央で内果尖の上方5寸。
十五絡穴:肺=列欠、大腸=偏歴、胃=豊隆、脾=公孫、心=通里、小腸=支正、膀胱=飛揚、腎=大鍾、心包=内関、三焦=外関、胆=光明、肝=蠡溝、任脈=鳩尾、督脈=長強、脾の大絡=大包。絡穴は表裏する2経をつなぐので、両方にまたがる病証に用いる。公孫は衝脈の八脈交会穴でもあり、『難経』二十九難には衝脈の病として「逆気して裏急す」とあり、胸腹部の引きつるような痛みに用いられる。
同じ種類の要穴(絡穴)で4肢をそろえ、部位の記述だけを与える。解法は、(1) 各部位を経穴名に変換、(2) 所属経を出す、(3) 前問で決めた臓腑の経を選ぶ。
部位だけが書かれた選択肢は、まず経穴名へ変換する。第1中足骨底内側の遠位陥凹部・赤白肉際は脾経の絡穴である公孫。前問で治療すべき臓腑は脾と決まっているのでこれが正答。通里は心経、蠡溝は肝経、飛揚は膀胱経の絡穴で、4肢とも絡穴でそろえ所属経だけを変えてある。