問165
仰臥位による置鍼時に患者がくしゃみをした場合、最も折鍼が起こりやすい部位はどれか。
この問題の分類段階3 応用症例や条件を判断材料にする問題
正答:3
正答:3
くしゃみで急に縮む筋の上に刺していると、鍼が曲げられて折れる。正答は3。
体位と筋の動きから、鍼に力がかかる部位を導けるか。
折鍼は、刺してある鍼に強い力が加わって曲がり、金属が疲れて折れることで起こる。仰向けで置鍼しているときにくしゃみが出ると、腹部の筋が急に強く縮む。腹壁の正中の両脇にある部位は、縦に走る腹直筋の上にあたるため、この収縮で鍼が挟まれて大きく曲げられる。したがって記述3が最も起こりやすい。誤肢は筋の動きが小さい。眉間は骨のすぐ上で筋の収縮が小さく、胸骨の上も骨の上で動きが乏しい。下腿の内側は腹部の収縮の影響を受けない。
経穴の名前だけで判断せず、その下に何があるかを考える。骨の上か、大きく動く筋の上かで、鍼にかかる力がまったく違う。くしゃみ、咳、笑い、体位の変更など、置鍼中に起こりうる動きを想定しておくと予防につながる。
折鍼を防ぐには、鍼体の根元まで刺し込まない、繰り返し使って傷んだ鍼を使わない、置鍼中は患者から目を離さない、体位を変えるときは声をかけるといった配慮を組み合わせる。折れてしまった場合は、体を動かさないよう指示し、鍼が皮膚の外に見えていればピンセットで抜き、見えなければ医療機関へ紹介する。
経穴を4つ並べ、下にある組織で選ばせる。解法は、(1) 各部位の下に何があるかを書く、(2) 設問の動作でどの筋が縮むかを決める、(3) その筋の上の部位を選ぶ。
最も折鍼が起こりやすいのは天枢。腹直筋の上にあり、くしゃみで筋が急に縮んで鍼が曲げられるため。印堂・膻中は骨の上、中都は腹部の動きの影響外。