脊髄分節性鎮痛はどれか。
正答:1
正答:1
内因性痛覚抑制系は、全身性鎮痛・脊髄分節性鎮痛・末梢性鎮痛に大別される。脊髄分節性鎮痛は触圧刺激(有髄Aβ線維)の興奮により、刺激を加えた皮膚分節(デルマトーム)に限局して起こる局所性の鎮痛で、その機序は当初ゲート・コントロール説で説明された。
選択肢のうち、脊髄分節性鎮痛を説明する(脊髄分節性鎮痛に該当する)学説・機序はどれか。
脊髄分節性鎮痛は、触圧受容器(有髄Aβ線維)の興奮により生じる中枢性機序による局所性の鎮痛である。痛みを感じる部位、またはその皮膚分節に触圧刺激を加え、有髄Aβ線維の興奮が入力した脊髄分節内で、介在ニューロンが痛み信号を伝える神経細胞の興奮を抑制する。この機序は当初、メルザックとウォールが提唱したゲート・コントロール説で説明された。よって脊髄分節性鎮痛=ゲートコントロール説が正答。
ゲート・コントロール説の『オリジナル版』は現在では否定された学説である。ただし、脊髄分節性鎮痛という現象そのものが否定されたわけではない、と教科書は明記している。『学説は古い=脊髄分節性鎮痛と無関係』と早合点しないこと。
脊髄分節性鎮痛は、刺激を加えた領域に限定され、刺激開始直後から発現し、刺激終了とともに速やかに消失する(持続しない)即時性の鎮痛である。臨床ではローラー鍼(非侵害性鍼刺激)や、ゲート・コントロール説をもとに開発された経皮的電気神経刺激(TENS)の高頻度低強度刺激が、皮膚の有髄Aβ線維を効率よく刺激して脊髄分節性鎮痛を発現させる。
下行性疼痛抑制系・DNICはどちらも『全身性鎮痛』に分類され、局所性の脊髄分節性鎮痛とは作用範囲が異なる。『鎮痛=何でも脊髄分節』ではなく、作用範囲(局所か全身か)で仕分ける。
内因性痛覚抑制系を作用範囲で整理:全身性鎮痛(下行性疼痛抑制系・DNIC・SPA)/脊髄分節性鎮痛(有髄Aβ線維・ゲートコントロール説・局所性・即時性・非持続)/末梢性鎮痛(アデノシン・末梢オピオイド・局所性)。TENS高頻度低強度はAβ線維刺激で脊髄分節性鎮痛、鍼通電は低頻度高強度で幅広い線維を興奮させ脊髄分節性鎮痛にも関与。