施灸後に紅斑と痛みが出現した。該当する熱傷はどれか。
正答:1
正答:1
教科書の熱傷深度分類では、Ⅰ度熱傷は傷害深度が表皮(基底層まで)にとどまり、所見は発赤・充血(紅斑)、症状は痛み・熱感で、数日で治癒し痕は残らない。設問の『紅斑と痛み』はⅠ度熱傷の典型像で、水疱を伴わない点がⅡ度との鑑別点になる。
施灸後の臨床所見(紅斑=発赤、痛み)から熱傷の深度を判定させる問題。所見(水疱の有無・色調)と深度の対応を問う。
Ⅰ度熱傷(紅斑性熱傷)は傷害が表皮の基底層までで、真皮以深に及ばないため発赤・充血と痛み・熱感のみで、水疱は生じない。浅達性・深達性Ⅱ度熱傷では真皮に及び水疱と発赤がみられる。Ⅲ度熱傷は皮下組織に及び、感覚神経まで壊死するため無痛で、皮膚は黒色・褐色または白色になる。よって『紅斑+痛み・水疱なし』はⅠ度に該当する。
鑑別の鍵は『水疱の有無』と『痛みの有無』。Ⅰ度=水疱なし・痛みあり、Ⅱ度=水疱あり・痛みあり(深達性では知覚鈍麻が著しい)、Ⅲ度=無痛・知覚消失。『紅斑と痛み』だけで水疱の記載がない点がⅠ度を指す。
教科書は深度を傷害層で定義する:Ⅰ度=表皮(基底層まで)、浅達性Ⅱ度=真皮浅層(乳頭下層)、深達性Ⅱ度=真皮深層(網状層の下層)、Ⅲ度=皮下組織。施灸との対応では、透熱灸はⅠ度〜浅達性Ⅱ度、焦灼灸はⅢ度、打膿灸は深達性Ⅱ度〜Ⅲ度を意図的に生じさせる。温筒灸・台座灸など無痕灸でも長時間ならⅠ度〜浅達性Ⅱ度を生じうる。
『施灸後の熱傷』という文脈で重症側(Ⅱ度・Ⅲ度)を選ばせる誘導。だが所見が紅斑と痛みのみで水疱がない以上、深度は表皮どまりのⅠ度。所見を一つずつ深度定義に照合する。
教科書の一覧を縦に暗記する。Ⅰ度=表皮/発赤・充血/痛み・熱感/数日/痕残らず。浅達性Ⅱ度=真皮浅層/水疱・発赤/強い痛み・灼熱感/約10日/残りにくい。深達性Ⅱ度=真皮深層/水疱/知覚鈍麻著明/2週間以上/残りやすい。Ⅲ度=皮下組織/壊死・炭化・乾燥/無痛・知覚消失/1か月以上/痕残る。所見から深度を逆引きする練習を繰り返す。