血栓症を生じやすい疾患はどれか。
正答:2
正答:2
血栓症は血管内で血液が凝固する現象。本問は4疾患のうち血栓を生じやすいものを選ぶ。鍵は、肝硬変・再生不良性貧血・ビタミンC欠乏症がいずれも『出血傾向(出血性素因)』をきたす疾患であり、残る糖尿病が動脈硬化を介して血栓側に傾く、という対比。
血栓を生じやすい(凝固に傾く)疾患を選ぶ。他の3つが出血傾向に傾く疾患であることを見抜けるかが鍵。
教科書によれば、血栓形成の誘因は(1)血流速度の低下(2)血管内皮の障害・内皮下組織の露出(3)血液凝固の促進。一方、出血性素因(出血傾向)は凝固機構の障害でおこる。選択肢を教科書で判定すると、肝硬変は凝固因子(プロトロンビン等は肝でビタミンKにより合成)の産生障害=出血傾向、再生不良性貧血は骨髄機能低下→血小板減少=出血傾向、ビタミンC欠乏は血管壁脆弱化による漏出性出血=出血傾向。糖尿病は血管内皮障害・アテローム性動脈硬化を促進し血栓が付着・内腔閉塞しやすい方向に働く(教科書 心筋梗塞の項:糖尿病の増加と動脈硬化)。よって血栓を生じやすいのは糖尿病(正答2)。
4疾患を『出血に傾くか/血栓に傾くか』で二分する。肝硬変(凝固因子↓)・再生不良性貧血(血小板↓)・ビタミンC欠乏(血管脆弱)=出血傾向、糖尿病(動脈硬化・内皮障害)=血栓傾向。
教科書 血栓形成の誘因:(1)血流速度の低下(2)血管内皮の障害・膠原線維など内皮下組織の露出(3)血液凝固の促進(DIC等)。出血性素因の側:凝固因子は肝臓でビタミンKにより合成→肝障害で凝固遅延、血小板の量的/質的異常(血小板減少症)、血友病(第8因子欠損)、ビタミンC欠乏の漏出性出血。糖尿病は教科書の心筋梗塞の項で『食事の欧米化による肥満や糖尿病の増加と軌を一にする』とされ、アテローム性動脈硬化(粥腫→潰瘍→血栓付着→内腔閉塞)を介して血栓に関与する。
血液疾患=出血だけ、と単純化しない。設問は『血栓を生じやすい』。3つの出血傾向疾患(肝硬変・再生不良性貧血・ビタミンC欠乏)を消去し、動脈硬化を介する糖尿病を残す。
血栓形成の3誘因(血流低下・内皮障害・凝固促進)を言う。肝硬変・再生不良性貧血・ビタミンC欠乏がなぜ出血傾向になるか(凝固因子↓・血小板↓・血管脆弱)を説明する。糖尿病が動脈硬化を介して血栓に傾く理屈を言う。