神経性やせ症(神経性食欲不振症)について正しいのはどれか。
正答:4
正答:4
神経性食欲不振症(神経性やせ症)は、食行動の異常を中心に、著しいやせや無月経などの身体的異常と抑うつなどの精神症状を伴う摂食障害である。心理社会的要因や摂食調節機構の障害で生じ、若年女性に圧倒的に多い。治療は心理療法を主体とし、食行動の維持をはかる。
神経性やせ症の疫学・原因・身体合併症・治療に関する正誤を問う総合問題。好発年齢・原因・電解質異常の起こりやすさ・治療法の4点を弁別させる。
教科書では『摂食障害は心理社会的要因や摂食調節機構の障害で生じる。若年女性に多く発病し、やせ願望、自分の身体に歪んだイメージをもつこと、体重増加への病的な恐怖の存在がある』とされる。つまり吸収不良などの器質性ではなく、心理社会的要因が一次的原因である。したがって治療も心理療法で食行動の維持をはかることが基本となる。
『やせ』が原因か結果かを取り違えやすい。神経性やせ症のやせは、栄養の吸収障害(器質性)ではなく、心理社会的要因に基づく拒食・体重増加恐怖の結果である。また嘔吐・下痢による脱水を介して電解質異常が二次的に生じる点も、『起こしにくい』という選択肢に引っかからないよう注意。
教科書の症状記載では、食行動異常(拒食・過食・嘔吐・低カロリー食品の選択)の結果として、やせ・低体温・低血圧・徐脈・脱毛・無月経・脱水・貧血・低血糖などが現れ、精神症状として活動性亢進・不安・抑うつ・不登校がある。長期予後は改善50%・不変25%・悪化25%で、飢餓や自殺で死亡する患者が5〜8%。重症例で中心静脈栄養が必要になる点は、身体合併症の重篤さを示す。
『神経性』疾患=心因性であることを軸に、原因(2)と治療(4)を一対で判断する。原因が心理社会的なら治療も心理療法が中心という論理で正答に到達できる。疫学(若年女性99%)で(1)を即否定、合併症の脱水・嘔吐から(3)を否定する。
神経性やせ症は『若年女性・心因性・心理療法』の3キーワードで核を押さえる。やせ願望・歪んだボディイメージ・体重増加恐怖という心理が一次原因で、拒食・嘔吐の結果として無月経・徐脈・低体温・脱水・低血糖などの身体合併症が出る。電解質異常は嘔吐・下痢による脱水を介して起こりうるため『起こしにくい』は誤り。長期予後と死亡率(飢餓・自殺で5〜8%)も合わせて覚える。