肘内障について正しいのはどれか。
正答:1
正答:1
肘内障は橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼したもので、痛がるが腫れや変形はない。正答は1。
肘内障の所見と、脱臼している関節、整復のしやすさ、経過を言えるか。
肘内障は、手や前腕を急に引っぱられたときに、橈骨頭が輪状靱帯の遠位へ亜脱臼した状態である。2〜4歳児に多く、転びかけて手を引かれた、腕を持って振り回された、腕を下にして転んだなどで起こる。輪状靱帯が橈骨頭に乗り上げ、腕橈関節に嵌頓したようになって痛みが出る。所見としては疼痛を訴えるが、関節の腫脹や変形はない。上肢を下げたままにして腕を触られるのを嫌がり、健側の手で患肢を支えていることもある。誤肢は3つとも関節・整復・経過の誤り。亜脱臼しているのは橈骨頭であって腕尺関節ではない。整復は用手で行え、橈骨頭に当てた母指にクリックを触れると同時に整復される。経過は、幼児期には再発することがあるが、成長すれば起こらなくなり後遺症も残らない。
「腫脹がない」は骨折との鑑別で最も大切な所見。子どもが腕を動かさないとき、腫れや変形があれば骨折を疑い、なければ肘内障を考える。ただし鍼灸師が整復を行うことはできないので、疑ったら整形外科へ紹介する。肘内障と肘関節脱臼は別物で、後者は変形が明らかで整復も容易ではない。
肘内障は臨床医学各論の小児疾患として夜驚症と並んで出題基準に位置づけられている。診断は、腕を引っぱったという既往と疼痛の訴えから疑い、エックス線検査・超音波検査で確認する。公的には小児肘内障が非観血的整復術の対象として規定されている。乳幼児が腕を動かさないときの鑑別には、鎖骨骨折、上腕骨顆上骨折、化膿性関節炎なども入るため、発熱や腫脹の有無を確認する。
1疾患について、所見・病態・治療・経過を1肢ずつ並べる。解法は、(1) 特徴的な所見(腫脹の有無)を確認、(2) どの関節が外れているかを言う、(3) 整復の難易と経過を確認する。
肘内障は橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼したもので、痛がるが腫れも変形もない。腕尺関節の脱臼ではなく、徒手整復は容易で、成長すれば起こらなくなる。腫脹がないことが骨折との鑑別点。