胸膜中皮腫と関連するのはどれか。
正答:2
正答:2
胸膜中皮腫はアスベスト(石綿)の曝露と関連する。正答は2。
職業性の曝露物質と、それが起こす腫瘍・疾患の対応を言えるか。
アスベスト(石綿)は細く硬い繊維状の鉱物で、吸い込むと肺や胸膜に長く留まり、慢性の炎症と線維化を起こす。これがアスベスト肺(石綿肺)で、さらに長い潜伏期を経て胸膜中皮腫や肺癌を発生させる。潜伏期は20〜50年と長く、建設・造船・断熱材の製造などでの過去の曝露が問題になる。誤肢はいずれも別の疾患と結びつく物質である。塩蔵食品は胃癌の危険因子として知られる。アセトアルデヒドはアルコールの代謝産物で、食道癌などとの関連が指摘される。ジクロロプロパンは印刷業で使われた有機溶剤で、胆管癌の原因として問題になった。
職業性の曝露物質と疾患の組合せは、覚えていなければ推測できない。アスベスト=胸膜中皮腫・肺癌・石綿肺、ベンゼン=白血病、塩化ビニル=肝血管肉腫、クロム=肺癌・鼻中隔穿孔、ジクロロプロパン=胆管癌、と対で覚える。潜伏期の長さが「昔の職業歴を聞く」という診察上の意味につながる。
粉じんが吸気とともに肺に入り、局所または肺門部リンパ節に留まって炎症反応を起こし障害を与えるものを総称して塵肺という。けい酸による珪肺、石綿によるアスベスト症と中皮腫、鉄粉その他の金属粉による鉄症、煙草の煙による炭粉症などがある。一般に気道粘膜上皮の線毛運動の障害、粘液産生、扁平上皮化生が起こる。胸膜中皮腫は臨床医学各論の呼吸器・胸壁疾患「F.腫瘍性疾患」に位置づけられ、悪性びまん性胸膜中皮腫に対しては壁側・臓側胸膜全切除が行われる。胸痛の鑑別では胸膜・肺病変のひとつとして挙げられる。
1疾患について原因物質を4つ並べる。解法は、(1) その疾患が発生する臓器・組織を確認、(2) その部位に届く曝露経路(吸入か経口か)を考える、(3) 職業性曝露の代表的な組合せから選ぶ。
胸膜中皮腫と関連するのはアスベスト。吸い込んだ繊維が胸膜に留まり、20〜50年の潜伏期を経て発生する。塩蔵食品は胃癌、アセトアルデヒドは食道癌、ジクロロプロパンは胆管癌と結びつく物質。