幻肢について正しいのはどれか。
正答:1
正答:1
幻肢は切断後に失われた手足がまだ残っているように感じる現象で、大脳に残った体感覚と考えられる。その痛みが幻肢痛。本問は幻肢・幻肢痛の性質(原因・経過・好発部位・治療)を問う。
幻肢に関する記述で正しいものを選ばせる。幻肢痛の原因(心理的要因)、薬物治療の効果、幻肢の経時的変化、上肢/下肢での頻度差という4論点の正誤判断。
教科書は幻肢痛について『原因は、断端の状態だけでなく、心理的な要因も関連しているといわれている』と明記する。よって選択肢1が正しい。幻肢は『しだいに短縮し、一般に数カ月で消失する』ので範囲が広がるという記載はない。好発部位は『上肢切断に多い』とされ、下肢で高いという記載に反する。幻肢痛の予防・治療は『早期断端訓練、早期義肢装着が最良の方法』とされ、消炎鎮痛剤で改善するという記載はない。
幻肢の経過は『短縮・消失』であり『拡大』ではない点、好発部位は『上肢』であり『下肢』ではない点が、選択肢で逆転されやすい。また治療は薬物より『早期断端訓練・早期義肢装着』が主である点を取り違えやすい。
教科書は幻肢を大脳に残った体感覚と捉え、6歳以下では生じない(大脳の体感覚が未成熟のため)と付記する。幻肢には長所(義肢装着時の疑似感覚として利用)と短所(非装着時のADLを妨げ転倒リスク)がある。幻肢痛では『幻肢の指が強い屈曲位をとり、まったく動かない』ことが多く、心理的要因が絡むため、早期からの断端訓練・義肢装着で大脳の体性感覚を再統合する方向が最良とされる。
本文の方向(短縮↔拡大、上肢↔下肢、断端訓練↔鎮痛剤)を逆にした選択肢を並べる典型。正しい1択は『心理的要因も関連』という本文の控えめな表現(〜といわれている)をそのまま使っている点に注目すると見分けやすい。
教科書『(1)幻肢、幻肢痛』を通読し、(1)幻肢=大脳に残った体感覚で上肢切断に多い、(2)数カ月で短縮・消失、6歳以下では生じない、(3)幻肢の長所/短所、(4)幻肢痛は心理的要因も関連、(5)予防・治療は早期断端訓練・早期義肢装着が最良、の5点を順に言えるようにする。経過と好発部位を逆にした選択肢に注意する練習をする。