「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」最も陽性になりやすいのはどれか。
正答:2
正答:2
右肩甲部・右上腕外側の痛みと右前腕橈側〜右手橈側のしびれという、上肢の特定の皮膚分節(デルマトーム)に沿った放散痛・しびれは、頸椎症性の神経根症(C5・C6神経根領域)を示唆する。頸神経根の圧迫を誘発するテストが陽性になる。
頸椎症性神経根症で陽性になりやすい誘発テストを問う。神経根の圧迫を誘発するスパーリングテスト(椎間孔圧迫検査)を選べるかが核心。
頸部変形性脊椎症(頸椎症)では椎体周辺の骨増殖と椎間腔の狭小化により頸神経根が圧迫される。スパーリングテストは座位で頭部を患側に倒し頸部を過伸展して上から押し下げ、椎間孔を狭めて神経根を圧迫する手技で、患側上肢に痛みやしびれが放散すれば陽性。本症例の上肢デルマトーム(C5・C6領域)に一致する症状を再現しやすい。
上肢のしびれを起こす疾患は、頸椎症性神経根症(中枢側・椎間孔)と手根管症候群(末梢・手関節)で部位が異なる。症状が肩甲部から上腕・前腕橈側〜手橈側に及ぶ放散パターンは神経根レベル(中枢側)を示す。
頸神経根の圧迫誘発テストにはスパーリングテストとジャクソンの過伸展圧迫検査(テスト)があり、いずれも椎間孔を狭めて神経根を刺激する。頸椎症では神経根症状(手指のしびれ・握力低下・母指球/小指球・虫様筋の萎縮・巧緻運動障害)が起こり、脊髄症状に進むと下肢痙性麻痺・歩行障害・膀胱直腸障害が生じる。
『上肢のしびれ』だけを見てファレンテスト(手根管)を選ばせる罠。症状の分布が肩甲部〜上腕〜前腕橈側に及ぶ放散痛・デルマトーム性なら神経根レベルであり、椎間孔を狭めるスパーリングが陽性になる。
頸椎症性神経根症は椎間孔狭小化で頸神経根が圧迫され、デルマトームに沿った上肢の痛み・しびれを起こす。誘発テストはスパーリング(患側側屈+過伸展で椎間孔圧迫)とジャクソン。これに対し、ペインフルアーク=肩、トムゼン=テニス肘、ファレン=手根管と、対象部位・疾患が全く異なる。症状の放散範囲(肩甲部〜前腕橈側)で神経根レベルを見抜くのが要点。