問86
「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」装具療法を行う場合に最も適切なのはどれか。
この問題の分類段階3 応用症例や条件を判断材料にする問題
正答:1
正答:1
本症例は頸椎症性神経根症(C5・C6神経根症)である。頸部変形性脊椎症の保存的治療では頸椎カラー(頸椎装具)の装着が基本で、頸椎の安静と過屈曲・過伸展の制限により神経根への刺激を減らす。
頸椎症性神経根症の装具療法として最適なものを問う。原因部位(頸椎)に対応する装具=頸椎装具(頸椎カラー)を選べるかが核心。
頸椎症の保存的治療として、教科書は『頸椎カラーの装着・薬物療法・牽引療法(グリソン牽引12〜15kg程度)・温熱療法』を挙げる。頸椎カラー(頸椎装具)は頸椎を安静位に保持し、過屈曲・過伸展を避けて神経根への機械的刺激を軽減する目的で用いる。本症の病巣は頸椎にあるため、装具も頸椎に対するものが適切。
上肢に症状が出るからといって肩や肘・手関節の装具を選ばないこと。病巣(圧迫部位)は頸椎にあるため、装具も頸椎に対して用いる。
頸椎症の保存的治療では、頸椎カラーに加え薬物療法・グリソン牽引(12〜15kg程度)・温熱療法を組み合わせる。経過観察中の軽症例でも頸椎の過屈曲・過伸展は避けるべきで、激しい頸椎マニピュレーション(徒手療法)は禁忌である。
症状の出現部位(上肢)に装具を当てさせる罠。神経根症では原因部位(頸椎)に対する装具が正解になる。
頸椎症性神経根症は頸椎の椎間孔狭小化による神経根圧迫。保存的治療は頸椎カラー(頸椎装具)+薬物療法+グリソン牽引(12〜15kg)+温熱療法。装具は病巣のある頸椎に対して用いるのが原則で、上肢症状があっても肩・肘・手関節の装具は選ばない。激しい徒手療法・過屈曲過伸展は禁忌。