こめかみがズキズキする頭痛に対して九刺の遠道刺を用いて治療する場合、最も適切な経穴はどれか。
正答:4
正答:4
遠道刺は上にある病に対して下肢の穴で治す刺法。こめかみは少陽の領域なので、胆の下合穴である陽陵泉。正答は4。
遠道刺という刺法の定義(上の病に下の穴)を知り、痛む部位から経を決めて下肢の穴を選べるか。
九刺は『霊枢』官鍼篇にある9種の刺法で、そのうち遠道刺は病が上部にあるとき、下肢の穴とくに下合穴を用いて気を降ろす方法。教科書でも、のぼせ症状で愁訴が頭部にあるとき足に治療点を求めて気を降ろす選穴として説明されている。こめかみ(側頭部)は足の少陽胆経が走る領域なので、責任経は胆経。胆の下合穴は陽陵泉で、下腿外側の腓骨頭前下方にある。頷厭は側頭部の胆経の穴だが局所であって遠道刺ではなく、太陽は側頭部の奇穴でこれも局所、合谷は手の穴で下肢ではない。
合谷は「面口は合谷に収む」として頭面部の症状に使う代表穴なので選びたくなるが、遠道刺は下肢を使う刺法と定義されている。刺法の名前が使う部位を限定しているときは、その制約が最優先。頷厭と太陽は経・部位ともに正しいが局所なので、遠道刺という条件で落ちる。
九刺:兪刺・遠道刺・経刺・絡刺・分刺・大瀉刺・毛刺・巨刺・焠刺。うち遠道刺は上の病に下の穴、巨刺は左の病に右の穴(あるいはその逆)と、部位の対応で名づけられたもの。六腑の下合穴は、胃=足三里、大腸=上巨虚、小腸=下巨虚、三焦=委陽、膀胱=委中、胆=陽陵泉で、すべて下肢にある。頭部の部位と経の対応は、前頭部=陽明、側頭部=少陽、後頭部=太陽、頭頂部=厥陰。
局所の穴と遠隔の穴を混ぜ、刺法の定義を読ませる。解法は、(1) 刺法の定義から使う部位を確定(遠道刺=下肢)、(2) 痛む部位から経を決める、(3) その経の下肢の穴、とくに下合穴を選ぶ。
遠道刺は上部の病に下肢の穴を用いる九刺の一つ。こめかみは足の少陽胆経の領域なので、胆の下合穴である陽陵泉を取る。頷厭と太陽は側頭部の局所穴、合谷は手の穴で、いずれも遠道刺の条件を満たさない。刺法の名前が使う部位を決めているときは、それが最優先の制約になる。