命門火衰により冷えを訴える患者に対し、臓腑を考慮して施灸する場合、最も適切な経穴はどれか。
正答:3
正答:3
命門の火は腎陽のこと。命門火衰は腎陽虚なので、腎経の原穴である太渓に施灸する。正答は3。
命門火衰という語を腎陽虚へ翻訳し、その臓の経の穴を選べるか。4肢はいずれも原穴で、経だけが違う。
命門は腎に宿る生命の火とされ、全身を温め臓腑の機能を動かす源。命門の火が衰えることを命門火衰といい、臓腑弁証では腎陽虚にあたる。腎陽が不足すれば温煦の作用が落ちて全身が冷え、腰膝の冷えとだるさ、夜間頻尿、五更泄瀉などが出る。臓腑を考慮して施灸するなら、対応する経は足の少陰腎経。腎の原穴は太渓で、足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間にある。太淵は肺の原穴、神門は心の原穴、衝陽は胃の原穴で、いずれも腎ではない。温める目的の施灸には、腎陽を補う穴として太渓のほか命門・腎兪・関元なども併用される。
命門という語から督脈の命門穴(第2腰椎棘突起下の陥凹部)を選びたくなるが、選択肢に命門穴はなく、問われているのは臓腑としての対応。命門の火=腎陽という置き換えができれば一意に決まる。
腎陽虚(命門火衰)の症状:畏寒肢冷、腰膝の冷痛とだるさ、夜間頻尿・多尿、五更泄瀉、性機能低下、浮腫、舌淡胖・苔白、脈沈遅無力。腎陰虚とは寒熱が正反対で、腎陰虚は五心煩熱・盗汗・舌紅少苔・脈細数。治法は温補腎陽で、灸を用いるのが基本。用いる穴は太渓(腎の原穴)、腎兪(腎の背部兪穴)、命門(督脈)、関元(任脈、小腸の募穴)、気海など。
原穴を4つ並べ、経だけを変える。加えて用語(命門)から別の穴を連想させる。解法は、(1) 用語を臓腑弁証へ翻訳、(2) その臓の経を出す、(3) その経の該当する要穴を選ぶ。
命門の火は腎陽を指すので、命門火衰は腎陽虚。臓腑を考慮して施灸するなら足の少陰腎経の穴で、原穴の太渓が適切。太淵は肺、神門は心、衝陽は胃の原穴で、いずれも臓が違う。命門という語から督脈の命門穴を連想しても、選択肢にはない。