次の文で示す病証を八脈交会穴を用いて治療する場合、取穴部位として正しいのはどれか。「帯下があり、腹部の皮膚のかゆみ、下腿前側のひきつりがみられる。」
正答:3
正答:3
帯下と腹部の皮膚のかゆみは任脈の病証。任脈の八脈交会穴は列欠で、対になるのは陰蹻脈の照海。照海は内果尖の下方1寸。正答は3。
病証から奇経を決め、八脈交会穴の組合せを引き、その相手の穴の部位を答えられるか。経穴名を出さず部位で問う形。
任脈は胞中(下腹部)から起こって前正中線を上り、陰脈の海と呼ばれて全身の陰経を統括する。帯下(おりものの異常)や下腹部・腹部の症状は任脈の病証にあたる。八脈交会穴は4組で、公孫(衝脈)と内関(陰維脈)、後渓(督脈)と申脈(陽蹻脈)、足臨泣(帯脈)と外関(陽維脈)、列欠(任脈)と照海(陰蹻脈)。任脈が責任経なら列欠を取り、対になるのは陰蹻脈の照海。照海の部位は足内側、内果尖の下方1寸、内果下方の陥凹部。選択肢1の足背・第4・第5中足骨底接合部の遠位は足臨泣、2の足外側・外果尖の直下は申脈、4の足内側・第1中足骨底内側の遠位陥凹部は公孫で、いずれも別の組の相手。
照海は陰蹻脈の穴だが、列欠(任脈)と組んで用いる。奇経の名前と組む相手が食い違うので、4組をそのまま暗記する必要がある。また4つの選択肢はすべて足部の似た表現なので、骨指標(第1中足骨底・第4第5中足骨底接合部・内果尖の下方・外果尖の直下)で区別する。第29回問139では同じ枠組みで内関と公孫の組が問われており、部位の記述もそのまま使い回されている。
八脈交会穴の4組と主治:公孫(衝脈)-内関(陰維脈)=胃心胸。後渓(督脈)-申脈(陽蹻脈)=目内眥・項・耳・肩。足臨泣(帯脈)-外関(陽維脈)=目外眥・頬・頸・耳・肩。列欠(任脈)-照海(陰蹻脈)=肺系・咽喉・胸膈。任脈は陰脈の海、督脈は陽脈の海、衝脈は十二経の海(血海)、帯脈は腰腹を一周する。陰蹻脈の病証では陰(下腿内側)がひきつり陽(下腿外側)がゆるむとされる。
経穴名を伏せて部位だけを並べ、部位から経穴を復元させる。解法は、(1) 病証から奇経を決める、(2) その奇経の八脈交会穴を出す、(3) 組む相手を出す、(4) その穴の部位表現を思い出して照合。
帯下と腹部の症状は任脈の病証。八脈交会穴では任脈の穴は列欠で、対になるのは陰蹻脈の照海。照海の部位は足内側、内果尖の下方1寸。足臨泣・申脈・公孫はそれぞれ帯脈・陽蹻脈・衝脈の穴で、組む相手が違う。4組をそのまま覚えるほかない。