「47歳の女性。頭痛が続き、いらだちがある。耳鳴りもあり受診した。口苦があり、睡眠が浅い。昨年に閉経。舌は紅、脈は弦数、腹は胸脇苦満を認める。」内分泌検査で血中濃度が基準値より高いのはどれか。
正答:2
正答:2
昨年閉経した47歳。卵巣機能が落ちてエストロゲンが減ると、負のフィードバックが外れて下垂体前葉からのゴナドトロピンが増える。正答は2。
閉経前後のホルモン変化を、フィードバック機構で説明できるか。増えるものと減るものを取り違えないこと。
卵巣は視床下部と下垂体前葉の支配を受ける。視床下部からゴナドトロピン放出ホルモンが出て、下垂体前葉から卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモン(あわせてゴナドトロピン)が出て、卵巣がエストロゲンとプロゲステロンを分泌する。エストロゲンは視床下部と下垂体へ負のフィードバックをかけている。閉経では卵巣の機能そのものが落ちるので、エストロゲン(エストラジオール)が減り、抑えが外れた結果、下垂体前葉からのゴナドトロピンが増える。したがって基準値より高いのはゴナドトロピン。バソプレシンは下垂体後葉から出る抗利尿ホルモンで、閉経とは無関係。プロスタグランジンはホルモンではなく局所で働く生理活性物質で、内分泌検査で更年期の指標にはならない。
エストロゲンとゴナドトロピンは動く向きが逆になる。閉経では卵巣(下位)が落ちるので、上位の下垂体は指令を強める。つまり下位のホルモンが減り上位のホルモンが増える。原発性(末梢性)の内分泌低下では常にこの形になり、中枢性なら上位も下位も減る。
更年期障害では、エストロゲンの低下により自律神経の失調(ほてり・のぼせ・発汗・動悸)、精神症状(いらだち・抑うつ・不眠)、泌尿生殖器の萎縮症状が出る。検査ではFSHの上昇とエストラジオールの低下が指標。骨吸収が進むので骨粗鬆症、脂質代謝の変化で動脈硬化のリスクも上がる。東洋医学では腎虚を土台に肝鬱や心腎不交として捉えられることが多い。
ホルモンを4つ並べ、動く向きが逆のものと無関係なものを混ぜる。解法は、(1) どの臓器が一次的に障害されるかを決める、(2) その下位ホルモンは減る、(3) 上位ホルモンは負のフィードバックが外れて増える、(4) 無関係なものを落とす。
閉経では卵巣そのものの機能が落ちるので、卵巣から出るエストラジオールが減る。エストロゲンによる負のフィードバックが外れるため、下垂体前葉からのゴナドトロピン(FSHとLH)は増える。したがって基準値より高いのはゴナドトロピン。バソプレシンは下垂体後葉、プロスタグランジンは局所の生理活性物質で、いずれも閉経の指標ではない。