「47歳の女性。主訴は左顔面の麻痺。2週間前に腹痛、下腿前面の痛みとともに発症。現在は下腿内側の重だるさ、軟便を伴う。」原絡表裏配穴法で主証に対応する経穴の部位にあるのはどれか。
正答:1
正答:1
2週間前の腹痛と下腿前面の痛みが胃経、現在の下腿内側の重だるさと軟便が脾経。先に病んだ胃経が主証なので原穴の衝陽を取る。衝陽の部位には足背動脈がある。正答は1。
発症の順で主証と客証を決め、主証の原穴を出し、さらにその穴の部位にある構造を答えられるか。3段階。
原絡表裏配穴法は、表裏する2経のうち先に病んだ経を主証としてその原穴を、後から病んだ経を客証としてその絡穴を取る方法。時間の前後を読む。まず2週間前、顔面の麻痺が腹痛および下腿の前面の痛みと同時に起こっている。下腿前面は足の陽明胃経の走行で、腹痛も胃の症状。よって主証は胃経。現在は下腿内側の重だるさと軟便で、下腿内側は足の太陰脾経、軟便も脾の運化の低下なので客証は脾経。主証の原穴は胃の原穴である衝陽で、足背にあり、取り方の指標として足背動脈の拍動を用いる。後脛骨動脈は太渓、母趾外転筋腱は然谷や公孫のあたり、前脛骨筋腱は解渓の指標。
3段階のどこで間違えても外れる。主証と客証を逆にすれば絡穴(豊隆)を選ぶことになり、原穴と絡穴を取り違えても同じ。さらに経穴名でなく部位にある構造を問われるので、動脈拍動部を指標にする経穴をまとめて押さえておく必要がある。
動脈拍動部を取り方の指標にする経穴:衝陽=足背動脈、太渓=後脛骨動脈、委中=膝窩動脈、気衝・衝門・箕門=大腿動脈、太淵=橈骨動脈、極泉=腋窩動脈、人迎=総頸動脈、大迎=顔面動脈。原絡表裏配穴法では、胃と脾、大腸と肺、小腸と心、膀胱と腎、三焦と心包、胆と肝の各組で、先病経の原穴と後病経の絡穴を組む。胃の原穴=衝陽、胃経の絡穴=豊隆、脾の原穴=太白、脾経の絡穴=公孫。
経穴名を出さず部位の構造で問う。解法は、(1) 症状を時期で2群に分ける、(2) それぞれを経に割り当てる、(3) 先病=主証の原穴を出す、(4) その穴の取り方の指標を思い出す。
2週間前の腹痛と下腿前面の痛みが胃経、現在の下腿内側の重だるさと軟便が脾経なので、主証は先に病んだ胃経。原絡表裏配穴法では主証の原穴を取るので衝陽。衝陽は足背にあり、取り方の指標は足背動脈の拍動。後脛骨動脈は太渓、前脛骨筋腱は解渓の指標で、いずれも本例の主証の穴ではない。