「40歳の女性。仕事でパソコン作業が多く、午後から締め付けられるような両側性の頭痛を発症する。頭痛は非拍動性で悪心・嘔吐はない。飲酒で増悪しない。」考えられる疾患はどれか。
正答:3
正答:3
締め付けられるような両側性の非拍動性頭痛で、悪心・嘔吐がなく飲酒でも増悪しない。緊張型頭痛。正答は3。
頭痛の型を、痛みの性状・左右差・随伴症状・飲酒の影響という4点で切り分けられるか。
一次性頭痛は、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛(三叉神経・自律神経性頭痛の一つ)に大別される。片頭痛は片側性で拍動性、悪心・嘔吐や光過敏・音過敏を伴い、日常動作で悪化し、アルコールが誘因になる。群発頭痛は片側の眼窩周囲に激烈な痛みが起こり、同側の流涙・鼻閉・眼瞼下垂などの自律神経症状を伴い、飲酒が発作の引き金になる。三叉神経・自律神経性頭痛は群発頭痛を含む一群の総称。緊張型頭痛は両側性で締め付けられるような非拍動性の痛みで、悪心・嘔吐を伴わず、日常動作で悪化せず、飲酒でも増悪しない。本例は締め付けられる両側性・非拍動性・悪心嘔吐なし・飲酒で増悪しないの4点がすべて緊張型頭痛に一致し、パソコン作業という誘因も筋緊張の背景を示す。
「飲酒で増悪しない」という一文が、片頭痛と群発頭痛を同時に消している。設問が否定形で書いた所見は、選択肢を消すために置かれている。頭痛の分類は、左右差・痛みの質・随伴症状・誘因の4点を機械的に確認すれば絞れる。
一次性頭痛の鑑別:片頭痛=片側性(両側のこともある)・拍動性・4〜72時間・悪心嘔吐や光音過敏・動作で悪化・前兆を伴うことがある。緊張型頭痛=両側性・圧迫感や締め付け感・非拍動性・軽度から中等度・動作で悪化しない・悪心嘔吐なし。群発頭痛=片側眼窩部の激痛・15分〜3時間・群発期に連日・同側の結膜充血や流涙、鼻閉、眼瞼下垂、縮瞳・落ち着きなく動き回る・飲酒が誘因。二次性頭痛(くも膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍など)を示す危険な徴候があれば医療機関へつなぐ。
一次性頭痛を並べ、否定形の所見で消させる。解法は、(1) 左右差、(2) 拍動性か締め付けか、(3) 随伴症状の有無、(4) 誘因の有無を順に確認。
締め付けられるような両側性の非拍動性頭痛で、悪心・嘔吐がなく飲酒でも増悪しないのは緊張型頭痛。パソコン作業という誘因も頭頸部の筋緊張を示す。片頭痛は片側性・拍動性で悪心嘔吐と飲酒誘因、群発頭痛は片側眼窩部の激痛と自律神経症状で飲酒誘因。三叉神経・自律神経性頭痛は群発頭痛を含む一群。