広汎性侵害抑制調節の特徴について正しいのはどれか。
正答:3
正答:3
広汎性侵害抑制調節(DNIC)は『侵害刺激が痛みを抑制する現象』をいう。侵害刺激を与える部位は痛みのある部位以外であれば全身どこでもよく、その鎮痛効果は刺激直後から全身に現れる(全身性鎮痛)という特徴をもつ。
DNICの特徴として正しい記述はどれか。作用範囲・即時性・関与する線維・抑制部位を吟味する。
DNICは侵害刺激により痛みが抑制される現象で、刺激部位は痛みのある部位以外であれば全身のどこでもよい。鎮痛効果は刺激直後から全身に現れ(全身性鎮痛)、ただし刺激期間中に限られる。よって『全身性に効果が出現する』が正しい。DNICは侵害刺激で生じる現象であり、侵害受容線維(細い線維)の入力に基づく点も特徴である。
全身性鎮痛にはDNICのほかにSPA(刺激誘発鎮痛)等があり、こちらは『痛み感覚が抑制されるまでに20〜30分の誘導時間が必要』とされる。DNICは『刺激開始と同時に発現』する即時性が特徴で、両者の即時性を取り違えやすい。
DNICは下行性痛覚抑制系を構成する脳内部位(中脳水道周囲灰白質・橋の青斑核・延髄の大縫線核など)の破壊の影響を受けない点で下行性痛覚抑制系とは異なる機序であり、発現には延髄の背側網様亜核(SRD)が部分的に関与する。一方で内因性オピオイドやセロトニンが関与する点、顔面は三叉神経脊髄路核・顔面以外は脊髄後角で抑制される点は下行性痛覚抑制系と類似する。
『全身性鎮痛=発現が遅い』と決め打ちすると誤る。同じ全身性でもDNICは即時、SPA系は20〜30分の誘導時間と、即時性が異なる。線維も、DNIC=侵害刺激(細い線維)/脊髄分節性鎮痛=触圧(太いAβ=Ⅱ群)と取り違えやすい。
DNIC=侵害刺激が痛みを抑制する現象。①刺激部位=痛む部位以外なら全身どこでも、②効果=刺激直後から全身性、③ただし刺激期間中のみ、④SRDが部分的関与、⑤下行性痛覚抑制系の破壊の影響を受けない別機序、⑥内因性オピオイド・セロトニン関与・顔面は三叉神経脊髄路核/顔面以外は脊髄後角で抑制という類似点あり。鍼灸では遠隔部施術の即時的鎮痛機序として重要。