ストレス刺激による交感神経活動亢進反応はどれか。
正答:1
正答:1
ストレス刺激は交感神経―副腎髄質系を賦活し、カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)を動員する。交感神経活動が亢進すると、エネルギー動員と熱産生が高まり、深部体温は上昇する。一方、気管支は拡張(弛緩)、心拍数・心収縮力は増加、血糖値は上昇する方向に働くため、選択肢2・3・4はいずれも交感神経の作用と逆向きである。
交感神経が興奮(活動亢進)したときに各効果器がどちらの向きに動くかを問う。各臓器に対する交感神経の作用(気管支・心臓・肝臓〔血糖〕・体温)を一つずつ正しい向きで判断できるかが核心。
教科書の自律神経系の構成図によると、交感神経の興奮は次の作用を起こす。気道・肺=気管支筋弛緩(=拡張)、心臓=心収縮力増加・伝導速度増加、肝臓=グリコーゲン分解(→血糖上昇)、副腎髄質=カテコールアミン分泌。これらはいずれもストレスに対し身体を活動・闘争に備えさせる方向であり、エネルギー代謝の亢進=熱産生の増加を伴う。代謝が亢進すれば深部体温は上昇する。したがって『深部体温上昇』が交感神経活動亢進反応に合致する。
交感神経=『闘争・逃走(fight or flight)』の方向、副交感神経=『休息・消化』の方向、という大枠でそろえると間違えにくい。とくに気管支は『収縮(副交感)/拡張(交感)』、心拍数は『減少(副交感)/増加(交感)』、血糖は『低下(インスリン側)/上昇(交感)』と、いずれも選択肢が副交感寄りの誤答で並べられている。
教科書の自律神経系の構成図では、交感神経の効果器ごとの作用(気管支筋弛緩、心収縮力増加、グリコーゲン分解、副腎髄質のカテコールアミン分泌など)が表で整理されている。これらはストレス時に身体を即応状態にする統合された反応で、エネルギー動員(血糖上昇・脂質分解・代謝亢進)の結果として産熱が増え深部体温が上昇する。キャノンの緊急反応・セリエのストレス学説は、いずれもこうしたストレス応答系を借りて鍼灸の生体防御作用を説明してきた経緯がある。
4択のうち3つが『副交感神経の作用(気管支収縮・心拍数減少・血糖値低下)』で構成され、交感神経と逆向きの選択肢を消去できれば残った1つが正答になる消去法型。各効果器の向きを1つでも逆に覚えていると引っかかる。
交感神経(活動亢進=ストレス応答)と副交感神経(休息)の効果器作用を対で覚える。気管支:交感=拡張/副交感=収縮。心臓:交感=心拍数・収縮力増加/副交感=減少。肝臓・血糖:交感=グリコーゲン分解で血糖上昇。副腎髄質:交感節前線維がカテコールアミン分泌を起こす。これらの統合反応によりエネルギー代謝と熱産生が増し、深部体温は上昇する。設問では交感の作用と逆向き(収縮・減少・低下)の選択肢を消す。