問176
灸による温熱刺激の受容・伝導について正しいのはどれか。
この問題の分類段階2 理解正答の理由や選択肢の違いを整理する問題
正答:1
正答:1
灸の温熱刺激を受容・伝導する経路の正誤を問う問題。温度受容体(TRPチャネル)、伝導線維(Ⅲ/Ⅳ群)、温度感覚の順応、熱痛の上行路(外側脊髄視床路)の4点を区別できるかが問われる。
灸の温熱刺激の受容体・伝導線維・順応・上行路に関する記述のうち、教科書の記述に合致する正しいものを1つ選ぶ。
温度受容体は、温度受容器の特性を決めるTRPチャネル(TRPファミリーに属するイオンチャネル)で、温度受容器の構成要素である。温熱刺激はこの温度受容体に応答して受容される。温熱・熱痛の情報はⅢ群(Aδ)・Ⅳ群(C)線維が伝え、温度覚の脊髄伝導路は痛覚と同じく外側脊髄視床路である。温度感覚は無関温度(30〜36℃)で順応が起こりやすい。これらより、温度受容体に関する選択肢1が正しい。
温度覚の上行路は『外側脊髄視床路』であり、触圧覚の『後索-内側毛帯路』と取り違えやすい。また温度感覚は順応しやすい点(無関温度)も頻出の引っかけ。
温度受容器は特徴的な形態を持たない自由神経終末だが、1997年以降、その特性を決めるTRPチャネルの存在が明らかになった。異なる温度に反応する複数の温度受容体が存在する。温線維はおもに無髄C線維(一部Aδ)、冷線維は無髄C線維またはAδ線維。
受容体・線維・順応・上行路の4要素について、3つを定番の誤り(Ⅱ群/順応しにくい/後索)で固め、温度受容体に関する1つを正答とする総合問題。
温度覚の受容〜伝導をひと続きで整理:温度受容器(自由神経終末・TRPチャネル)→ 温線維/冷線維(C・一部Aδ)→ 外側脊髄視床路 → 視床 → 体性感覚野。順応(無関温度30〜36℃)と、上行路が触圧覚の後索系と別であることを押さえる。