気管支拡張症について正しいのはどれか。
正答:1
正答:1
気管支拡張症では気管支の壁が壊れて広がったままになり、元に戻らない。正答は1。
不可逆な構造の変化という点で、気管支喘息など可逆的な疾患と区別できるか。
気管支拡張症は、繰り返す感染や炎症で気管支の壁の弾性線維や軟骨が壊れ、内腔が広がったまま戻らなくなった状態である。広がった気管支には分泌物が溜まり、そこで細菌が増えて感染を繰り返すという悪循環に入る。構造そのものが壊れているので変化は不可逆性で、ここが気管支喘息(気道の狭窄が可逆的)との決定的な違いになる。誤肢は3つとも誤り。既往として多いのは幼小児期の重い呼吸器感染(百日咳、麻疹、肺炎)や、副鼻腔気管支症候群、線毛の機能異常であって、小児喘息ではない。拡張した気管支の壁では血管が増えてもろくなるため、喀血をきたすことがあり、大量喀血は生命に関わる。抗菌薬は、急性感染増悪に対する期間を区切った治療と、増悪を繰り返す一部の患者に対する長期の予防的治療を区別する。すべての患者で短期投与では済まないという意味ではなく、治療を一律に短期投与だけとする説明が適切でない。
「可逆か不可逆か」で呼吸器疾患は大きく2つに割れる。可逆なのは気管支喘息の気道狭窄、不可逆なのは気管支拡張症の管腔拡大とCOPDの気流制限、肺線維症の線維化。慢性の咳と痰、喀血という症状の組合せから気管支拡張症を思い出せるようにする。
気管支拡張症の主症状は大量の膿性痰と慢性の咳で、進行するとばち指がみられる。画像では気管支が太く見え、隣を走る肺動脈より太くなる。副鼻腔気管支症候群は、副鼻腔炎と気管支拡張症・慢性気管支炎が合併するもので、日本ではマクロライド少量長期療法が有効とされてきた。鍼灸では喀血のある時期の強い刺激を避け、排痰を助ける体位や呼吸法の指導を併せる。
1疾患について、病態・既往・症状・治療を1肢ずつ並べる。解法は、(1) 構造の変化が可逆か不可逆かを決める、(2) 既往と誘因を確認、(3) 症状の有無を逆にしていないか見る、(4) 治療の期間を確認する。
気管支拡張症の気道の変化は不可逆性で、喀血をきたすこともある。抗菌薬は感染増悪の治療と長期予防を区別し、病状に応じて使い分ける。全例で短期投与では済まない、と覚えない。