鉄欠乏性貧血について正しいのはどれか。
正答:4
正答:4
鉄剤を投与すると赤血球の産生が回復し、若い赤血球である網状赤血球が増える。正答は4。
鉄欠乏性貧血の血球の形・鉄の指標・治療効果の見方を言えるか。
鉄はヘモグロビンの材料なので、不足すると1個1個の赤血球に詰められるヘモグロビンが減る。その結果、赤血球は小さく(小球性)、色が薄く(低色素性)なる。血液生化学では血清鉄とフェリチンが減り、鉄を運ぶ蛋白(トランスフェリン)が空席のまま増えるので総鉄結合能と不飽和鉄結合能は増加する。治療として鉄剤を補うと、骨髄で赤血球がさかんに作られるようになり、まず若い赤血球である網状赤血球が増える。これが治療効果の最初の指標になる。誤肢は3つとも逆である。大球性なのは巨赤芽球性貧血、正色素性なのは再生不良性貧血や溶血性貧血、総鉄結合能が低下するのは慢性炎症に伴う貧血である。
鉄の指標は向きを取り違えやすい。血清鉄とフェリチンは「持っている鉄」なので減る、総鉄結合能と不飽和鉄結合能は「積み込める空席」なので増える、と役割で覚えると逆にならない。貧血の分類も、小球性低色素性=鉄欠乏、大球性正色素性=巨赤芽球性、正球性正色素性=再生不良性・溶血性・腎性という3つで整理する。
鉄欠乏の主な原因は、摂取不足、吸収障害、慢性の出血(消化管出血、過多月経、子宮筋腫)、需要の亢進(成長期、妊娠)である。症状は貧血による顔色不良、息切れ、動悸、めまい、頭痛、易疲労感に加え、鉄そのものの欠乏によるスプーン状爪、舌炎、嚥下障害が出る。治療では経口鉄剤を服用し、同時に鉄欠乏を起こした原因を明らかにして原疾患を治療する。基礎疾患を治し鉄を適切に補えば予後は良好だが再発しやすい。
1疾患について、血球の形・色・鉄の指標・治療効果を1肢ずつ並べ、向きを逆にする。解法は、(1) 赤血球の大きさと色を決める、(2) 鉄の指標を「持っている鉄」と「空席」で分ける、(3) 治療効果の最初の指標を思い出す。
鉄剤を投与すると網状赤血球がまず増える。鉄欠乏性貧血は大球性ではなく小球性、正色素性ではなく低色素性、総鉄結合能は低下ではなく増加。持っている鉄は減り、積み込める空席は増える。