ビタミンB1欠乏でみられるのはどれか。
正答:4
正答:4
ビタミンB1が欠乏すると末梢神経が障害され、多発性の末梢神経障害(脚気)が起こる。正答は4。
ビタミンごとの欠乏症を、症状から取り違えずに割り当てられるか。
ビタミンB1(チアミン)は糖質代謝の補酵素として働くので、不足すると神経と心筋がエネルギーを作れなくなる。末梢神経が障害されて左右対称の感覚障害としびれ、腱反射の減弱、下肢の脱力が起こり、これが脚気の神経症状(多発性末梢神経障害)である。進むと下肢の浮腫と心不全(脚気心)に至る。中枢が侵されるとウェルニッケ脳症になる。誤肢は他のビタミンの欠乏症である。ペラグラはナイアシン(ニコチン酸)の欠乏で、皮膚炎・下痢・認知症の3徴が出る。萎縮性胃炎は内因子が作られなくなってビタミンB12の吸収が落ちる原因であって、B1欠乏の症状ではない。巨赤芽球性貧血が起こるのはビタミンB12か葉酸が欠乏したとき。
B群のビタミンは番号が近く、欠乏症が混ざりやすい。B1=脚気とウェルニッケ脳症(神経)、B12と葉酸=巨赤芽球性貧血(血液)、ナイアシン=ペラグラ(皮膚・消化管・精神)と、主に侵される系統で分けると混ざらない。B1とB12はどちらも神経症状を起こすが、B1は末梢で腱反射減弱、B12は脊髄後索・側索で腱反射亢進と向きが逆になる。
ビタミンB1が欠乏しやすいのは、精白した炭水化物に偏った食生活、大量の飲酒、極端な偏食、高カロリー輸液でB1を補わない場合。B1を多く含むのは豚肉、玄米、大豆、うなぎ。ビタミンB12の吸収には胃酸に含まれる内因子が必要で、悪性貧血や胃全摘後、吸収不良症候群、厳密な菜食で欠乏する。悪性貧血は人口10万人に対して約1〜5人と推定され、発症年齢の中央値はおよそ60歳で女性にやや多い。
1つのビタミンの欠乏症を問い、他のビタミンの欠乏症と、欠乏の「原因」にあたる疾患を混ぜる。解法は、(1) そのビタミンの主な働きを思い出す、(2) 侵される系統を決める、(3) 症状か原因かを区別する。
ビタミンB1欠乏でみられるのは多発性末梢神経障害。ペラグラはナイアシン、巨赤芽球性貧血はB12・葉酸、萎縮性胃炎はB12欠乏の原因であって症状ではない。侵される系統でビタミンを分ける。