急性心筋梗塞で上昇する血液検査項目として最も適切なのはどれか。
正答:4
正答:4
ASTは心筋にも多く含まれるため、心筋が壊れると血中に漏れ出て上昇する。正答は4。
血液検査の項目が、どの臓器の障害を映すかを言えるか。
酵素は含まれている臓器が決まっているので、その臓器が壊れると血中に漏れて上昇する。ASTは心筋、肝細胞、骨格筋、赤血球に含まれるため、急性心筋梗塞では上昇する。選択肢のうち心筋に関係するのはこれだけ。誤肢は3つとも肝胆道系の指標である。γ-GTPは胆道系の酵素で、胆汁うっ滞やアルコール性肝障害で上がる。ALPも胆道系のほか骨にも含まれ、胆汁うっ滞や骨疾患で上がる。ALTはほぼ肝細胞に限って多く含まれるので、肝細胞障害に特異性が高い。ASTとALTを比べたとき、ASTだけが上がっていれば心筋や骨格筋、赤血球の障害を疑うという考え方につながる。
ASTとALTはセットで測られるので混同しやすい。ALTは肝臓限定、ASTは肝臓+心筋+骨格筋+赤血球と幅が広い、と含まれる臓器の範囲で覚える。心筋梗塞ではより特異的な指標として、心筋トロポニンやクレアチンキナーゼMB分画が用いられる。この設問は「選択肢の中で最も適切なもの」を選ぶ形なので、心筋に関係する唯一のものを選ぶ。
急性心筋梗塞では、心筋トロポニンが発症後3〜4時間から上昇し1〜2週間高値が続く。クレアチンキナーゼMB分画は4〜8時間で上昇し2〜3日で戻る。ASTは6〜12時間で上昇し3〜5日で戻る。乳酸脱水素酵素(LDH)は最も遅く上がり長く続くので、発症から日が経ってからの診断に使われる。時間経過とともに使う指標が変わることが、この分野の要点である。
検査項目を4つ並べ、3つを同じ臓器系(肝胆道)で固める。解法は、(1) 各項目が含まれる臓器を挙げる、(2) 問われている臓器に関係するものを残す、(3) 「最も適切」の形なら選択肢の中での相対評価と割り切る。
ASTは心筋にも含まれるので急性心筋梗塞で上昇する。γ-GTP・ALP・ALTはいずれも肝胆道系の指標。含まれる臓器の範囲でASTとALTを分ける。より特異的な指標は心筋トロポニンとCK-MB。